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楽しい時間はあっという間に過ぎて、地獄の月曜日。重い体を動かして、トントンの車に乗り込む。送り迎えを毎日してくれていることに礼を言って、車を降りる。ふぅ、と一息ついてから、自動ドアの前に立った。
「行ってらっしゃい、気をつけてな」
愛する彼の声を聞いて、社畜は出勤する。自分の担当する署に向かって、社員証を下げる。おはようございます、と同僚、上司に声をかけて席につく。辺りを見回しても、もうロボロは居ない。少し寂しい気もする。頼れる上司で、何かと気をかけてくれていた人だから。
「どうしたんです？A先輩。あっ、もしかして天野先輩が居なくて、寂しいんですか？」
「ええ、少し」
「お似合いでしたもん。天野先輩とか、確実にA先輩のこと好きでしたよ」
「まさか。ただの先後輩の関係だよ。それに私、お付き合いしている人いるし」
「……ええええええ!?」
「うるさい、大原君」
「あ……あぁ……あぁぁ……我社の華が……」
うるさい後輩を無視して、デスクにつく。付き合っている。そう言っていいのだろうか。トントンは、もう結婚した気でいるが、事実上は結婚していない。未だブツブツと呪言のように口から気持ち悪い言葉を漏らす後輩を横目に、お気に入りのマグカップにコーヒーを淹れる。
その時だった。急にマグカップが割れ、Aに熱いコーヒーがかかった。
「きゃっ、」
「A先輩!!」
「Aさん!!」
後始末はやると言ってくれた皆に任せて、Aは着替えを持って部署を出た。ボーッと白いブラウスを抱えて、空を見る。
(なんだか不吉だなぁ)
会社の庭を見ると、黒猫がチョコンと座っていた。ジッと見つめていると、黒猫はAを見ながらAの前を横切った。思わず頭を抱えたくなった。
(うわ、不吉……)
立て続けに不吉なことが起こっていて、流石にAも鳥肌が立った。腕をさすって、トイレに入り、着替えを始める。
「あ、火傷してる」
腹部にかかったコーヒーのせいで、ほんのりと火傷をしてしまっている。後で冷やそう、なんて考えながら、白いブラウスに着替える。トントンが買ってくれたやつだ。沈んでいた気持ちも少し上がる。
さて、戻ろうと足を引いた時、人の気配を感じた。
「……っ!?」
振り返った先に居たのは美女だった。ここに、居るはずの無い。この際、どうやって社内に入ったかは聞かない。まずは、その手に持っている包丁を下ろしてから話を始めよう。
「……お久しぶりです」
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
