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「っと、ここですね」
車が出て10分程でついた場所は、見事に桜が満開だった。それなのに、人が全然居ない。トントンは、パチパチと瞬きをするAに、金の力や。と怪しく笑ってみせた。
「さ、どうぞ」
車を降りた2人を出迎えたのは、トントン達の席まで続く組員の花道。赤い傘を2人の上にさして、日差しから2人を守る。また、ゾムやシャオロンなどの他の組との争いごとを主な仕事としている幹部は、護衛に当たっている。皆、腰に刀をさして警察に見られたらかなり危ない状況だ。
「うわぁ、凄い……。でも、大掛かりすぎません？私の知ってるお花見って、レジャーシート敷いて、お団子食べながらお酒飲んで花見るだけですけど」
「我々組に来たからには、そんなしょぼい花見させへんで。なぁ？」
「ああ!!ゲホッ、」
ドンと胸を叩いたあと、コネシマが噎せる。1歩1歩前に進む度、傘やご飯を持ってきた人も移動する。遠目で見たら、大名行列のようだが、近場で見ると、花魁道中のようだ。
「奥方、前失礼します！石が!!」
Aの歩く道から危険を取り除く組員に、トントンは金を渡す。報酬らしい。たったそれだけの仕事にしては、渡す額が多かったような。
「ここか」
これから花見をするとは思えないほど豪奢なセット。Aとトントン2人の席があり、それを取り囲むように幹部の席がある。組員達は、それぞれ決められた場所で、酒を飲むらしい。
「凄い……!!!」
キラキラと目を輝かせるAに、トントンだけでなく、皆もホッコリした顔になる。
「俺……頑張って準備したかいがあったっす!!!」
涙を流して天を仰ぐものも居た。
「じゃあ、皆……席つこか」
「はい!!!」
トントンの言葉に、皆が席につく。乾杯の挨拶と共に、酒が弾ける。作ってきたツマミはどれも美味しく、皆花より団子状態だった。頬に手を当てて、その美味さに目を細めていたAに、ロボロがクスクスと笑いながら近づく。
「可愛ええ着物やな、似合うやん。A」
「天野先輩も、今日は甚平じゃないんですね。着物も似合いますよ」
「っはは、ありがとう。……ちょっとトントンの顔が怖いから、向こう行くな」
「はーい」
悲しそうに、でもどこか安心したかのような顔で、ロボロは酒の掛け合いを始めようとしているゾム達を宥めに行った。グイッと酒を呷ったAは、みたらし団子に手を伸ばす。しかし、それはヒョイっとゾムに取られてしまった。
「……あ」
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
