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「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「そうか、良かったわ。……仕事、辞めたら？俺もお前に楽させてやりたいし。こんな辛そうなA、見た無いわ」
トントンの提案は、とても良いものだった。しかし、Aはギュッと拳を握って、ソファに座り込んだ。
「トントンさん。私は、貴方とは付き合ってもないし、夫婦でも無い。それなのに仕事を辞めるなんてできません」
「だから、はよ結婚すれば……」
「そういう話じゃないんです」
そもそも、Aの会社は辞めさせてくれないだろう。お風呂入ってきます、とリビングを去ったA。トントンは、何か気に障ることをしてしまったのかと、自分の言動を少し反省した。その結果、Aは仕事が好きなんだという結論に至った。違う、そうじゃない。
「あと１ヶ月。そしたら叔父貴達にAを紹介できる。あんなカッコつけてもうたけど……変やったかな。やっぱ女経験無いと、どうしたらええか分からへんし。ネットとか、アイツらの話だけでしか動けんし。……どうやったら、Aは俺と結婚してくれるんやろ」
本当は、嫁なんか要らなかった。叔父貴にも、跡継ぎは幹部の中から選べばいい。だから、自分を早く組長にしてくれと言っていた。しかし、叔父貴は承諾しなかった。そして焦っていたトントンの前に現れたA。
「ホンマに、好きになってもうたんや」
我々組時期組長、トントン。彼にとっての初恋の相手だった。一目惚れなんて、漫画の世界だけだろうと、鼻で笑っていたが、自分が一目惚れしてしまうなんて。思いもしなかった。
「好きやなぁ」
リビングでトントンが悶々としていることは露知らず、Aは浴槽に顔を半分沈めて、ブクブクと息を吐いた。
「明日の会議、朝早いんだよなぁ。木野さんからまとめて貰った書類を受け取って、私のと合わせて課長に……」
仕事のことしか考えていない。
「トントンさんに、冷たく言い過ぎちゃったかな。仕事関連の話は、振られるとあんま丁寧に返せないんだよなぁ」
Aも先程の言動を少し悔いて、浴槽を出た。服を着替えて、リビングへ戻ると、トントンが駆け寄ってきた。
「A……ごめんな、なんか地雷踏んでもうたみたいで」
「いやいや、全然。こちらこそすみません。仕事のは話は、あまり好きじゃないので」
「仕事好きなんとちゃうん？」
「……はい？」
誤解していたことに気づいたトントンは、謝罪の為だと、Aにや優しくキスをした。
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
