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顰めっ面のまま、言い放った叔父貴は、席を立って部屋を出て行った。気まずい沈黙が流れたあと、1番先に動いたのは意外にも、Aであった。
「……ごめんなさい、トントンさん。それと、グルッペンさんも。私のせいで」
土下座しようと、両手を畳について、頭を下げようとしたAを、グルッペンとトントンが慌てて止める。
「いやいや、親父が阿呆なだけやから。Aが謝る必要無いって!!」
「叔父貴も、機嫌悪かっただけやと思うし。大丈夫、互いが好きならきっと、叔父貴も分かってくれる」
「せやな、グルさんええ事言うわ。互いが好きならきっと平気やな。安心したわ」
「無理そうですね」
ようやく諦めてくれるかと思ったのに。少し残念そうにAが俯く。甚平の裾を上げて立ち上がったロボロは、背後から近づいて、ゲシッとAの背中を軽く蹴った。仮にも、時期組長の奥方。皆が唖然とする中、負けじとAもロボロの脛を蹴る。
「Aっ……脛はアカン。脛は」
「すみません、先輩。つい」
「お前ら、知り合いやったん!?」
トントンが目を大きく開いている。今更かい、とツッコミを入れたロボロは、満足したようで、再び自分の場所に戻った。
「叔父貴……」
心配そうに、エーミールが襖を見る。何やら襖の向こうで話しているようだが、ハッキリとは聞こえない。
「Aさぁん。トン氏がアカンのやったら、僕んとこおいで。そこの童貞の何倍も満足させられるで」
バチンと鬱先生がウインクすると、トントンは殺意の籠った視線で貫く。ピンと背筋の伸びた鬱先生を見て、楽しそうにコネシマとシャオロンが笑い声を上げる。
「天野先輩。来週の打ち合わせ、木根君の案を元に進めるそうです」
Aの頭の半分以上は仕事のことで埋まっている。空いている時間があれば、効率よくそれを仕事のことに使う。一瞬なんのことかわからなかったロボロは、4度ほど高速瞬きを見せた。
「あっ、せや。Aの彼氏ってトントンやったん!?そうなんやとしたら……トントンお前……抜け駆けしやがって!!!」
「は？」
Aに向けるのとは全く違う声で、トントンは聞き返す。ロボロは前に見たAのキスマークのことについて話すと、ああ、と思い出したようにトントンが声を上げる。
「まだ抱けてへんねん。つか、抱かせてくれへん」
そりゃ、付き合ってもないのに、簡単に体を差し出す訳ないでしょう。と言うつもりだったが、この空気の中では言い出せない。
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
