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「間違える部屋、ミスったな？」
クツクツと笑う男。Aにとっては笑い事では無い。顔面の横に、血濡れの刀を置かれる。刃先がキラッと光って、首元にひんやりと、ドロっとした感触が当たる。
「これを見られたんじゃあ、悪いが死んでもらう。コイツは、敵対しとる組の奴やったんやけど……アンタは何も悪ないもんなぁ。楽に逝かせたる」
チャきっと峰が外側に向けられ、刃が首に当てられる。Aの思考は完全に停止している。
「お前を殺す男の名前くらい教えたる。トントン。地獄で詫びるわ。じゃあな」
トントンが日本刀を振り上げる。部屋の光を反射して、Aは思わず目を細める。
「ッ、私が死んだら、ワン ピースの正体がなんだったのか、お墓に教えに来てください。トントンさん」
「遺言にしちゃ、随分潔ええやん。まだ若いのに」
「この状況、回避ルート無いんですよ……!!!」
でも、やはり死にたくないようで。Aの体は震えている。ボロボロと零れ落ちる涙。怯えるような目。虐められた小動物のような姿に、トントンが振り上げた刀が止まった。
「お前……はぁ、俺も極道やけど、良心が死んどる訳ちゃう。堅気に手ぇ出すのは、筋違いやな。すまん、混乱しとった。帰ってええで」
混乱したら人を殺すのか己は。トントンは、日本刀を鞘に納めて、死体の近くに放り投げる。まだ、震えているAは、動く気配も無く、部屋に座り込んでいる。
「あー、もしあれやったら……送っていこか？1号棟か2号棟の402やろ」
死体処理を進めながら、トントンが聞く。コクコクとAが頷くと、トントンは大きなため息を吐いた。
「立てへんの？」
「は、い」
「……よう見たら中々可愛ええ顔しとるやん」
トントンの顔が嬉しそうに歪む。ゾワッと鳥肌が立つ。
「そんな怯えた顔せんとって。困るわぁ」
片付けを終えたトントンは、何故か日本刀を持って、Aを立ち上がらせた。
「2号棟か？」
「……はい」
まともに歩けていないAの手を引っ張って、トントンは家を出た。Aはなぜこんなことになったのかと、夜空を見上げる。数時間前は、こんなことになるなんて、全く思っていなかった。
2号棟のAの部屋に着き、Aが家を開けると、なんの断りもなく、トントンが家に入ってきた。
「あの、トントンさん。何を……」
「お前、警察に通報するかもしれんし。顔とは覚えた。家もな。……悪いが、監視させてもらうで」
「……はい？」
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
