番外編:悪い女の笑い方 ページ48
「A？」
「ん？」
「何をしてるん？」
「ゴミの分別に決まってるじゃない」
当たり前だという顔で言っているが、決してそうは見えない。部屋に積み上げられたプレゼントの数々を開けては捨ててを繰り返している。
「誰から？」
「不特定多数の莫迦達」
Aの部屋に遊びに来たシャオロンはその様子を不思議そうに眺めている。彼女はモテる。とにかくモテる。街を歩いているだけで一目惚れされ、軍に貢物が届くくらいには。軍に居る命知らずの兵士達からも貢がれるため、Aの部屋には常に山のようにプレゼントが積まれているのだ。
「もったいない〜要らんもん俺にくれ」
「いいわよ。好きなの持っていきなさい」
「Aも使えばええやん」
「嫌よ。知らない人からの贈り物なんて。私は貴方達からのプレゼントが1番嬉しいの」
「どうせ捨てるんやったら全部一気に捨てればええやん。やっぱ物色しとるんやろ？」
シャオロンがニヤニヤして聞くと、Aは少し顔を赤くして背ける。
「動物が入ってたら、可哀想じゃない」
「優しいな、お前。やっぱ根本的なところは変わってへんのや」
「わざわざ言わせないでちょうだい。そういえばシャオロン。今日は訓練じゃないの？」
「俺の隊は休み〜。折角やし後で何か美味いもん食いに行かへん？」
「シャオロンの奢りね」
「当たり前やん」
全てのプレゼントの確認を終えたAは立ち上がってシャオロンの方を向く。
「今、適当にレストラン予約したから」
「ファミレス？」
「まさか。Aを連れてくんやから、下手なところ連れて行けへんやんけ。この国でいっちゃん評価高い店予約したった」
「……よくすぐ取れたわね」
「幹部権限」
「あっ」
Aとシャオロンは双子ということもあって、兄妹と言うよりも友達に近い感覚だ。そのため、喧嘩も少ない。シャオロンもAも互いを好きすぎるから、争い事は避けたいのだ。
「少し離れるわ。すぐ戻る」
「あ、俺も。じゃあ、あのカフェで待ち合わせな」
2人別れ、1時間後またカフェで会う。
「シャオロン。貴方の誕生日、まだ祝ってなかったわ。本当は当日に渡したかったのだけれど。素性をバラしたくなかったの。尊敬してるわ。おめでとう」
「……考えること、一緒やな」
互いに黄色のネックレスを送り合う。Aはそれを見て、腹の底から爆笑した。上品だが、豪快だ。
「仲良いわね、私達！」
「せやな。大好きやで、A誕生日おめでとう」
fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 866人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無していう名前の名無し - しゅ、しゅきれぇしゅ‥‥‥。翻訳 やっばばばばば、ワイのドンピシャｷﾁｬｰーーーーー神すぎる‼︎‼︎好きです‼︎‼︎。 (8月11日 15時) (
レス) @page50 id: cfc3f2d0fe (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - スッゴい面白かったし最高でしたぁぁぁ!!!まじで神ですね!!!! (2022年12月10日 13時) (レス) @page48 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！かわいい愛のお話だったなあとしみじみ感じております。ありがとうございます。ひよこの子様の作品の主人公ちゃんってみなさんお可愛いですし生き方に尊敬してます。ありがとうございます。体調にもお気をつけください。好きです。 (2022年9月25日 10時) (レス) id: 0350dafbfb (このIDを非表示/違反報告)
みずき - ん“ん”ん“！！！ック…！どう”どい“！！完結おべでどうございまず！！(泣) (2022年9月25日 2時) (レス) @page45 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - むむさん» 教えてくれてありがとうございます、これから気おつけますm(*_ _)m (2022年9月25日 0時) (レス) id: 07b6abd3f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月14日 17時
