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「ゾム君、日曜空いてる？」
「ホンマにすまん。空いてへんねん」
「そっか、忙しそうだもんね」
その日は撮影があるんよなぁ。会いたい。でも流石にあっちを疎かにはした無いからな。
互いに20貫以上食べ、次の店へ行こうという話になった。
「大将、ご勘定」
「おっ、彼氏さんが払うんや」
「付き合ってへん」
慌てて出そうとするAに、次出して、と言うと落ち着いた。外はすっかり暗くなっている。明日仕事嫌やなぁ。
「次はどうする？」
「中華とか」
「ああ、餃子食べたいな」
「決まりやな」
中華屋も近い。やっぱ駅周辺はええわ。
「ゾム君お腹の方は？」
「まだ余裕。Aは？」
「ご飯6杯はいけますね」
「食いすぎや」
「あっはは」
花が舞うような笑みを見せるA。ギャップが凄い。こんなに可愛くて、ちっちゃい女性が、まさか俺と同じくらい食うなんて。
夜道を歩いていた時だった。前から自転車が物凄いスピードで走ってきた。酔っぱらいが運転しているのか、フラフラとしている。真っ直ぐと、狙うようにAに突っ込んでいく自転車。
「Aっ!!」
Aを抱き寄せると、自転車は駐車場の金網に突っ込んだ。
「おい、避けんなや!!」
理不尽過ぎるやろ。Aは、怖かったのだろう。俺の腕の中で怯えた目をしている。
「走れる？」
「うん」
酔っぱらいが暴れ出す前に、俺らは逃げ出した。Aが離れないように手を握っている。小さくて、指は女性らしく細い。これで運送業とは驚かされる。
道を出たところは、丁度中華屋だった。慌てて中に入ると、カタコトの男が、ニメイサマ？と聞いてくる。どう見たってそうやろ。
通された席は、2人にしてはまぁまぁ広かった。
「全種類を8個ずつお願いします」
サラッとえぐい注文をしたAは、俺の方を見て、クスッと笑う。
「なんだかね、安心した。さっき、ゾム君に庇ってもらった時、耳がゾム君の胸にあったんだよ。ゾム君の心臓の音を聞いて、なんか私も落ち着けた。お母さんのお腹にいた頃を思い出すから落ち着くらしいけどね。本当にそうなのかな」
「知らんなぁ。それより、急に抱き寄せてごめんな」
「ううん、庇ってくれてありがとう。危うく職を無くすとこだったよ」
そしたら俺が養ったる。という気持ちの悪いセリフは口の中で留まってくれた。やがて、餃子が運ばれてきた。
空腹を唸らせる香りに、顔が緩むのを感じる。Aに至っては、キラキラとした目で見ている。
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ただの一般人。 - 今までにない展開がたくさんあって、とても面白かったです！！好きすぎて、何回も読み返しては感動。を繰り返しています。完結が惜しいですが、幸せになってくれたのでOKです！ (11月25日 22時) (
レス) @page49 id: adc31b39f1 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ泣いたンゴ…！！天才ですね！ (7月25日 15時) (レス) @page31 id: 2a8bacdc50 (このIDを非表示/違反報告)
ねお(プロフ) - とてつもなくしゅき…尊すぎて言葉が出ないﾝｺﾞｫｫｫ！ところでご報告なのですが、テラーでこの尊い尊い作品に似たものがございまして…。もしかしたらひよこの子様のパクリなのでは？と思いコメントさせて頂きました。ご確認の程よろしくお願いいたします (7月21日 17時) (レス) id: c2f9d03b74 (このIDを非表示/違反報告)
ここなつぁ。 - めっちゃ好きです…！夢主ちゃんと、zmさんの愛らしい恋物語が描かれていて、なんだかほっこりしました、笑。これからも頑張ってください！ (2023年4月16日 22時) (レス) @page50 id: d72a0ee724 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆのこ(プロフ) - この作品好きすぎて何度も読み返してます。3は超えました。これからも読み返します。本編のネックレスを探すとこもご飯食べているとこも好きなんですが番外編の子供たちは本当にお気に入りです。子供たちに脅威さんのむっつりなところが遺伝してないことを願ってます。 (2023年1月6日 0時) (レス) @page50 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年9月2日 18時
