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「Aさん。追加で20本頼んだんですけど、食えます？」
「ええ、勿論です」
ロボロやエミさん以外でこんなに食える人初めて会ったわ。楽しいわぁ。
「あと、茶漬けともつ煮も」
どんどんと机に食いもんが増えてく。
「美味しい……」
トロンとAの目が垂れて、幸せそうな顔になる。その顔に、俺の心臓が飛び跳ねた気がした。ホンマに可愛ええ。ずっと見ていられる気ぃするわ。
「どうしました？ゾムさん」
「いやっ、なにも」
「流石に腹一杯になってきたな」
ロボロがけふっ、と息を吐いて腹を摩る。Aさんは表情を変えずに、俺が追加注文したものを平らげていく。
「ゾムの食害が効かへん…!?」
シッマが驚く。
「Aさん、無理せんでも」
「無理なんかしてないですよ。……それよりゾムさん。もっと食べたらどうです？」
クスッとAが笑った時、俺の前に焼きおにぎりが運ばれてきた。俺も結構腹一杯なんやけどな。トイレ行っとるうちに頼んだんか。……やられたわ。
「Aさん……やりますねぇ」
「そちらが誘ったんですから、これくらい食べて頂かないと」
パンパンになった胃袋をこじ開けて、焼きおにぎりを詰め込む。それを見て、Aさんは行きましょうか、と声をかけた。
「Aさん。俺が出しますよ」
さっきから良いとこなしのシッマが立ち上がるが、Aさんは苦笑いでそれを制す。
「コネシマさん、枝豆しか食べてないじゃないですか」
「うっ、」
「……私の愚痴に付き合って頂いたお礼に、私が出しますよ。どこの誰だかも分からない女にここまで付き合ってくれてありがとうございました」
「いや、俺が」
俺が財布を取り出すと、Aさんはキッと睨んできた。思わず手が止まる。その間に、ちゃっちゃと会計を済ませてもうた。
「では」
俺らと反対の道へ足を進めたAさん。
自分でも、なんでそうしたのか分からない。
ただ、無意識に、俺らに背中を向けたAさんの手を掴んどった。
「……ゾムさん？」
「あ、えっと……その、Aさん。ここで会ったのもなんかの縁やと思って、LINE交換しません？」
ロボロは、シッマが限界を迎えたから先に帰った。つまり、今は俺とAさんの2人きり。何故だか俺の鼓動が早く、そして大きく聞こえる。
「勿論、いいですよ。機会が会ったらまた一緒に、食べましょう」
無垢な笑みは、とことん俺の心を乱した。酒を飲まなくて良かった。
勢いで、襲ってしまいそうだから。
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ただの一般人。 - 今までにない展開がたくさんあって、とても面白かったです！！好きすぎて、何回も読み返しては感動。を繰り返しています。完結が惜しいですが、幸せになってくれたのでOKです！ (11月25日 22時) (
レス) @page49 id: adc31b39f1 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ泣いたンゴ…！！天才ですね！ (7月25日 15時) (レス) @page31 id: 2a8bacdc50 (このIDを非表示/違反報告)
ねお(プロフ) - とてつもなくしゅき…尊すぎて言葉が出ないﾝｺﾞｫｫｫ！ところでご報告なのですが、テラーでこの尊い尊い作品に似たものがございまして…。もしかしたらひよこの子様のパクリなのでは？と思いコメントさせて頂きました。ご確認の程よろしくお願いいたします (7月21日 17時) (レス) id: c2f9d03b74 (このIDを非表示/違反報告)
ここなつぁ。 - めっちゃ好きです…！夢主ちゃんと、zmさんの愛らしい恋物語が描かれていて、なんだかほっこりしました、笑。これからも頑張ってください！ (2023年4月16日 22時) (レス) @page50 id: d72a0ee724 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆのこ(プロフ) - この作品好きすぎて何度も読み返してます。3は超えました。これからも読み返します。本編のネックレスを探すとこもご飯食べているとこも好きなんですが番外編の子供たちは本当にお気に入りです。子供たちに脅威さんのむっつりなところが遺伝してないことを願ってます。 (2023年1月6日 0時) (レス) @page50 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年9月2日 18時
