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「A……！？どうしたん」
眉を下げて心配そうに私を見つめるゾムさん。何から言えばいいのか。何が言いたいのか。混乱した頭では、まともな文なんかできなくて、言葉に詰まってしまう。涙だけは止まらず流れ、ゾムさんと目が合わせられない。
「大丈夫、ゆっくりでええよ」
私の為に、大きな体を丸めて抱き締めてくれているゾムさん。この体格差じゃ、辛いだろうに。優しい人だな。
「ゾムさんが、優しくて、それから、この世界から一生帰れなかったらどうしようって不安になって、元の世界が恋しくなって、もう頭がぐちゃぐちゃで」
私の気持ちをただ言葉にしただけ。理解できる文章でなくても、吐き出せたら十分だった。ゾムさんは私の頭を撫でながら私にかける言葉を探しているようだった。
「悩むくらいなら、この世界にずっと居ればええ。俺は絶対Aのこと手放さへんから。どこにも行くな。帰るのなんて、絶対許さん。一緒にいような。な、なぁ、A……？」
ゾムさんは私の後頭部に回した手に力を込める。くしゃっと乾いた髪が握られて崩れる感覚がする。私を強く抱き締める箇所は熱が籠ったように火照り、拍動が速くなる。
「ぞ、ゾムさん？」
「好き。愛してるから、逃がしたくないんや。理解って。A」
私から離れたゾムさんの顔は、恍惚に歪んでいた。頬を桜色に染め、愛と深淵の混じった瞳はドロッと蕩けている。ハイライトにまるでハートでも浮かんでいるかのよう。
「好ーき！」
その愛に狂った表情を誤魔化すかのように、彼はニパッと明るい笑みを浮かべた。その温度差に、私は思わず震えてしまった。融点を超えた鉄から、一気にシベリアの鉄柵になったような温度差のように感じた。同じ笑顔なのに。
「……寝ましょうか」
私はずるいから、応えることなんてできない。身長が低いから構ってくれているだけだ。その内飽きられる。おちょくっているだけかもしれない。彼らの愛に応えたとして、後で辛い思いをするのは私なんだから。
「ハグして寝よか」
ゾムさんは寝転んだ私をガッチリと抱き締めたゾムさんは、私の枕を使う代わりに私に腕枕をしてくれいてる。一緒に使えばいいと言ったが、私の頭を抱えて寝たいのだそう。
「……死んだら帰れると思いますか」
「明日は何食べたい？シェフに言って作らせたる。Aに色々見せたいもんがあるんやけどな」
「ゾムさ……んっ」
望む答えの代わりに、深いキス。
「死ぬなんて、二度と言わんで欲しい」
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つみき - 面白くって一気に読みました！！ 24話もしかしてあの方なのでは？と想像するのですが…続き楽しみにしてます‼️ 無理せずに頑張ってください。 (4月16日 20時) (
レス) id: cc34758b39 (このIDを非表示/違反報告)
舞華(プロフ) - これからも無理しない程度に頑張ってください！！続き楽しみにしてます！！(すいません。前の文章長くしすぎました😭) (4月14日 0時) (レス) @page24 id: 95a74c9b55 (このIDを非表示/違反報告)
舞華(プロフ) - 深夜にコメ失礼します！！お話めちゃめちゃ面白いです！！ひよこの子さんの作品はこれで初めて知ったんですが読んでてとても続きが気になるし、愛され具合がちょうど良いです。これをきっかけに他の作品の方も読ませていただいたのですが、他の作品も面白かったです (4月14日 0時) (レス) @page24 id: 95a74c9b55 (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - ありったけの尊〜かき集め〜♪ってコト…！？ (4月9日 17時) (レス) @page19 id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - はぁっ…！(死んだ音)私の求めてたものがここにあります…(；；)ありがとう… (4月9日 8時) (レス) @page19 id: 9e64766d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2024年4月1日 22時
