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「……嘘」
「呑気にお買い物か？そんなに金に余裕あるんやったら、とっとと耳揃えて返さんかい。それとも」
急に声のトーンを落とした闇金は、私の席の隣に座って、気持ちの悪い手付きで太ももを撫でてきた。
「風呂で働くか？」
「ッ、やめてください」
「やめて？お前が言える立場ちゃうやろ」
「……それ、は」
体の震えが止まらない。どうしよう。怖い。コネシマさん、早く戻って来て。私の願いは天に通じたらしい。ふわりと匂った彼の匂い。そしてびしょ濡れの闇金。見れば、コネシマさんがコップの水を零していた。
「人の連れに何してんねん」
初めて会った時と同じ、体の髄まで凍るような冷たい声で言い放ったコネシマさんは、私に暖かい笑みを向けると、手を掴んで走り出す。
「ッ」
コネシマさんは大通りでタクシーに乗り込むと、急いで出発するように言う。
「コネシマさん、ありがとうございます」
「アイツらしつこいなー！お前の親いくら借りてん」
私はコネシマさんに向かってピースをする。
「2000万かぁ」
「おく」
「2億？何に使ったん？」
「知りませんよ。私はただ、巻き込まれただけですから」
「……今まで、頑張ったな」
コネシマさんは優しさの籠った声で言い、私を抱き締めてくれた。その優しさに涙が溢れてくる。拭っても拭っても溢れてきて、それでもコネシマさんは何も言わずに力強く抱きしめるだけ。その時に、コネシマさんの服から彼以外の匂いがした。女物の香水。よく見れば、コネシマさんの首元にはキスマーク。
コネシマさんだって、そういう関係の女性の1人や２人、居るか。この優しさはきっと、私にだけ向けられるものじゃない。ああ、苦しい。心が締め付けられそう。
タクシーを降りて、自宅に帰った私達は同時に玄関に倒れ込む。
「疲れたな」
「ええ、本当に」
「そういえばお前、この痣どうしたん！？」
コネシマさんは手首の痣を見て目を丸くする。強く人に握られたような青紫色の手形。
「えっと、昨晩コネシマさんが」
「ん？あー、あの時か。それは、すまん」
シュンと項垂れるコネシマさん。
「大丈夫ですよ。もうあまり痛くないですし。コネシマさんには助けられてばかりですね」
「でも」
コネシマさんが引き留めようと肩に手をかける。それを私は無意識に振り払っていた。
「え」
明らかにコネシマさんが傷付いた表情をする。こういう時、私は決まって逃げてしまう。弱虫だから。
「ごめんなさい、先行ってます」
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まっくろしろすけ - 最初にマグロって出てきて「わ！マグロや！」ってなりました！（なんでマグロでわー！ってなってるのかわかるひとには分かると思う！）この小説好きです！ (8月5日 0時) (
レス) @page15 id: 017cec3e53 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - あえ？完結しちゃった…。いや、喜ばしいことなんだけども！好きな小説が終わっちゃうと少し寂しいですね…。次回作も期待してます！ (7月23日 15時) (レス) @page43 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ？？？？？？？？？？？？？？神かな？？？？？？？？？？？？あ、神だったわ。…周回しよ……。 (5月15日 23時) (レス) id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ふふふふふふふふふふふふふふふ嫉妬する夢主ちゃん可愛い(´∀｀*)ｳﾌﾌ動けない…？あっ…(察し)二人共お幸せに〜楽しめよ〜 (2023年4月27日 22時) (レス) @page42 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
しょしょ - kn夫婦てぇてぇ… あの女子高生分かりみが深すぎるんじゃぁ〜 (2023年4月14日 22時) (レス) @page41 id: 275501d424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年3月25日 14時
