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「ゾム、上手だね」
「……つまらん奴やな。誘ってくれりゃ2度ち立てへんくらいにぶち犯 して、反省させたんのに」
「今日は予約があるの。相手なら今度してあげる」
少し背伸びをしたAは、ゾムとシャオロンの頭を優しく撫でる。
「おやすみ。いい夢を」
私が見れないいい夢を。そんな嫌味たらしい言葉は口から放たれずに済んだ。顔を見合わせたシャオロン達は、トントンの部屋に消えたAをジッと見る。
「気分悪いな」
「ああ」
「なんであんな女と寝るねん。アイツらは。弱音でも握られとんのか？」
「知らん。でも、俺らだけ仲間外れにされとる気分で胸糞悪いわ。何を隠してんねん。アイツ」
モヤモヤした気持ちを抱えながら、彼らは自室に戻った。一方、トントンの部屋に来たAは、ベッドの上で2人で雑談をしていた。
「今日はええの？」
「うん。拷問で疲れちゃった。雑談してるだけで気持ち落ち着く」
「そうか。……先週、終わってAが寝てもうたやん」
「あー、そうだったね。ごめんね。アフターケアまでやってくれたんでしょ？律儀で泣けるよ」
「そん時は、A、寝ながらホンマに泣いとったで。平気？」
グルッペン達は、Aの苦しみを知っている。だからこそ優しくできる。Aは彼らを兄のように慕っているし、皆もAを妹のように可愛がっている。
「1人拷問死させる度に、悪夢で私を地獄に引きずり込もうとする手が増えるの。恨みがましい言葉を投げかける。夢って影響受けやすいから。現実で言われるよりも何倍も辛い」
「俺らの前では弱音吐いてええんやで」
「ありがとう。……眠い」
「じゃあ、寝よか」
ベッドサイドのランプを消したトントンは、Aを抱き寄せて、人の温もりを感じさせる。そうすれば、Aはすぐに眠れるし、悪夢を見ても気付きやすい。
そして、深夜2時頃。それはやって来た。
「っは、……っかひゅ」
「！」
過呼吸だ。すぎに起きたトントンは、慣れた手付きで対処をする。涙目でAは謝罪の言葉を並べる。
「気にせんで。はい、俺の呼吸に合わせて」
「……はぁ、ありがとう。またこんな時間に起こしちゃった。ごめん。トントンも疲れてんのに」
「いや、Aの方が大事やから」
「ありがとう」
その純粋で美しい笑みを見て、トントンはふつふつと怒りが湧いてきた。
言ってないから知らないのは当然だ。だが、Aのこの苦しみを知らずに悪評を流す輩が、憎くてたまらない。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
