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「我々国幹部の中に、外部と繋がっとる奴が居る」
「……冗談きついって。皆が、そんな事する訳ないじゃん」
「ああ、そうだ。知っている。幹部の中に明確な悪意を持って裏切る奴など居ないだろう。しかし、外部と繋がっている奴が居るのは本当」
「……弱味でも握られたかね」
Aの目がスっと細められ、ゴクッとグルッペンが淹れた紅茶を飲む。
「……殺気抑えろ。お前の殺気は肌が痛くなる」
「ああ、ごめんね」
「エーミールと諜報部の奴が協力して、その幹部を割り出した」
Aは、自分がここに呼ばれた理由をようやく理解した。グルッペンは、軍服のポケットから1枚の紙を取り出す。ここで雇用される際の契約書だ。そこにはしっかりと母印が押されている。
「まさか……コイツが？」
「ああ。もう、分かるな？今夜、コイツを拘束する。その後は、どんな拷問をしてもいいから、吐かせろ」
グルッペンは、小型ナイフを契約書に突き立てる。ゾワッとAの背中に寒気が走った。
「了解。何してもいいんだね」
「……ああ」
まさか、仲間を拷問する羽目になるとは思わなかった。Aは、背もたれに寄りかかって、目の前で難しい顔をする旧友を見る。
「情報はどれくらい欲しい」
「そうだな。雇われた組織、理由、人数、規模。それから＿＿＿＿」
「……まー、そうだよねぇー。分かった。任せて」
立ち上がったAは、紅茶を飲み干してグルッペンにカップを渡す。
「アイツの答え次第では、その場で殺すことを許可しよう」
「…壊しちゃおうかな」
ビシッとカップにヒビが入った。グルッペンは、それを見て大きなため息をつく。ロックを解除して特別会議室を出ていくその小さな背中に、皮肉混じりに吐き捨てる。
「怒るんやったら言うなや」
もう、使えへんな。と結構気に入っていた向日葵が描かれたそのカップをゴミ箱に投げ入れる。どうせ、後で業者が分別してくれるだろうと他人任せな気持ちで自分も部屋を後にする。
そして、夜。自室で休んでいたターゲットをトントンと共に拘束した。心当たりがあるのか、いつも憎まれ口を叩くその口も、閉ざされている。
拷問室に運び込まれると、その後の事全てAに一任されている。
「いやぁ、困るなぁ。なんで、こんなことしたの？」
「…」
「ねぇ、答えてよ。…………シャオちゃん」
「はよ、拷問せえや。何されても、俺は口割らんで。焼くも刺すも好きにせえや」
「何もしないよ。シャオちゃんにはね」
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
