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すると、トントンがやってきた。Aの有様を見たトントンは目を釣りあげてコネシマを叱る。
「限度っちゅうもんがあるやろ!!!Aは女や！分かっとるか？」
「こんな奴に遊ばれやがって。お前らも同罪じゃ」
「何の話や？」
「その女から直接聞け」
トントンは、チラッとAを見る。Aは困った顔でトントンを見つめていた。
「A」
「ロボロ。どうした？」
「これ、着た方が…ええと思う」
ロボロが差し出したのは、先程まで自分が着ていた甚平。Aには少し大きかったが、普通に着れそうだ。
「なんで？」
「風邪引くやろ」
「っふふ、優しいね。ありがとう」
ロボロは、照れたように笑う。ロボロの甚平を着たAは、クイクイっとトントンの服を引っ張る。
「コネちゃんも悪気はないと思うんだ。でも、本のことのついては、ちゃんと謝って！」
「……すまん」
「ん、えらい。謝らなかったら、爪剥がしてた」
グッとAが親指を立てる。ピクっとコネシマのこめかみが動く。しかし、トントンが睨んでいるため、感情を剥き出しにはしない。
「A。行こ」
トントンに連れられ、Aは基地内へ入る。中庭に残されたロボロとコネシマは、気まずそうに頬を掻いて、それぞれの仕事に戻った。Aはサッサと着替えを済ませて、ロボロの甚平を洗濯する。普段の血腥さを取る洗剤ではなく、普通の洗剤で。
部屋で一休みしていると、なんだか眠くなった。1人で寝るのは危険だ。でも、睡魔には勝てなかった。コテっとソファに横になり、深い睡眠に落ちる。
『ギャアア゛！たずけて、』
『殺してやる！死ね！死ね！』
『痛い、痛い゛』
『熱い゛!!!なん、で、俺らは……任務を遂行した、だけなの…に゛！』
『お前は悪魔だ』
『地獄に落としてやる』
幾千もの手が、足を掴み、胴を掴み、血の池へと引きずり込む。声は届かない。孤独な空間。怨嗟が渦巻く空間。夢だ。でも、夢じゃない。
「やめて……」
「A…A!!!」
強い衝撃が走り、Aは現実世界に引き戻された。目を開けると、汗を流すゾムが肩を掴んでいた。
「ゾム……？」
「トントンに昼飯持ってくよう言われて来たら、なんか魘されとって、泣いとったし。だ、大丈夫なん？」
見られた。弱い所を見られてしまった。しかもゾム。Aは何が何だか分からずに、動けなくなった。呼吸の仕方さえも、忘れてしまった。
「ぇ、？」
気づけば、ゾムの顔が目の前に迫っていた。
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みかん - 一気読みしました！凄く面白かったです！ (12月15日 21時) (
レス) @page50 id: 23cbb9e2de (このIDを非表示/違反報告)
ほよん - みんな彼女を大切に思ってるんだなと思いました！とても面白かったです✨ (8月14日 14時) (レス) @page50 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
n - 久しぶりに神作読ませて貰いました！めっちゃ面白かったです！ (6月13日 12時) (レス) @page50 id: a313beec07 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｎ - いい意味で鳥肌が立ちました、、！！めちゃくちゃ面白かったです！！ (2023年2月1日 23時) (レス) @page50 id: d2a3e7d3b4 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品も最高だったぁぁぁ!!!!!Ｒじゅーはちじゃないのでみられてうれしいです!!他の作品も見ますね!!!!! (2022年12月9日 20時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月9日 20時
