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ゾムはAの小さな手を両手で握る。自分で言ったくせに涙が出てくる。離したくない。この手を。でも、それ以上にこの女には幸せになって欲しい。
「……や、……だ……」
「!?」
ゾムがバッと顔を上げるとそこには、悲痛な顔で弱々しくゾムの手を握り返すAの姿があった。
「A、俺の事分かる！？」
「あたり、まえ」
「救護班！Aの意識が戻った!!!」
ゾムが叫ぶと、色々な器具を持った救護班が集まってきた。
「っ、ふぅ……酷い……よ。ゾム……」
容態も安定した頃、Aは目にうっすら涙を浮かべてゾムを見た。
「別れるなんて、言わないでよ……」
「でも!!!俺と付き合っとったら不幸になる！」
別れたいはずがない。本当はずっと一緒に居たい。他の男がAを貰うなんて想像しただけで殺意が湧く。それでも、ゾムはAの幸せを優先したかった。
「私のこと嫌いになった？迷惑いっぱいかけちゃってるもんね。もっと綺麗な人いっぱい居るもんね……」
「ちゃう!!!他の女に触られても何も感じひん！Aに触られると、すげぇ心臓うるさいのに」
「……じゃあ、離れないでよ」
「俺がAと付き合っとるから、Aはいつもこんな目に遭う。もう耐えられへんねん」
「お願いがあるの、ゾム」
ゾムはAに寄って、聞き取りやすいように顔を近づける。
「……完治したら、その、抱 いてくれる？」
ゾムは一瞬何を言われたのか分からなかった。次第に情報が頭の中で完結していき、顔を真っ赤にする。
「え、え、ほ、ホンマ！？」
「やっぱり、嫌？私なんか」
困ったように笑うAに、ゾムは全力で首を横に振る。
「いや、俺でええの？いや、俺しかアカンわ。……Aが処女やって聞いてから、俺みたいなのが奪ってええのか、傷付けんか、心配やってん。でも、Aが言うてくれるんやったら、抱 きたい」
「それで最後、とか言わないでよね」
図星だったのか、ゾムは言葉を詰まらせる。Aは呆れ顔で体を起こす。
「やめろ、A。寝たままでええ。体動かすな。今、お前の体えらいことになってんねん。生きとる事が、奇跡やねん」
「医者なんだから、それくらいわかるよ。…ねぇ」
「うん？」
「私が危ない目に遭いそうな時は、守ってよ。悲しい事があったら、傍に居てよ。ゾムが居ないと私、生き返った意味が無い」
ゾムはハッとした。そして目を瞑って、懐を探る。
「都合良く、指輪なんて無かったわ」
「指輪……？」
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けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (
レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました！！ (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました！(笑)めっちゃ面白い作品でした！ (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー！！！www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム＠スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ！僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月1日 20時
