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Aが食堂に顔を出すと、皆は当然ながら驚いて固まる。
「その怪我、大丈夫なん！？」
「A。良かった」
「びっくりしたわ！」
「っはは。ご心配お掛けしました。でも、愛しのダーリンが助けてくれたからね。カッコよかったんだから！本当に」
いつもと変わらない笑顔を見せるAに、数人は安心したが、数人は怪訝な顔をして見る。無理をして笑っているような気がしたのだ。わざと気丈に振舞っているような。
「Aちゃん。大丈夫？」
「大袈裟に治療されちゃってさー明日には仕事復帰できるよ」
「……1週間は休め」
グルッペンは肉を切る手を止めて鋭い目付きで見る。
「なんでよ。そんな大怪我に見える？」
「……はぁ。外傷はそこまでだが、心がダメだろ」
冷静にグルッペンに見抜かれて、それでも彼女は笑みを貼り付ける。
「何の話？大丈夫だってばー!!!」
深いため息をつくと、グルッペンはAに歩み寄る。そしてゆっくりと右手を上げた。その行為に酷く怯えたAは、スっと真顔になって震え出す。両手を交差させて自分を守るように屈んでギュッと目を瞑る。
「やめて…殴らないで」
ガタガタと震える様は、普通とは言えない。呼吸も乱れている。見ていられない程可哀想だ。
見かねて隣に座っていたロボロがAに手を差し伸べる。
「大丈夫か？水飲む？」
「っ!!!」
その手を払い除けたあと、Aは少し距離を取って謝る。
「あ…ごめん、ロボロ…」
「軽率な行動やった。俺の方こそ、ごめんな」
悪気が無いと分かるからこそ、彼の方も胸を痛めた顔をする。Aがフュゼ王国でどんな扱いを受けたか、これだけでも十分皆は理解した。それと同時に言いようのない怒りが込み上げてくる。
「なぁ、A。俺がAを殴る訳、無いやん。俺でさえこうなんやから、一般兵の治療なんかできるはずがない。A。1週間やと足りん？お前の心を回復させる期間は」
グルッペンの目が悲しそうにAを捉える。
「…5日で何とかする」
「焦んな。Aの不在が長引くのは困るが、それ以前にAの精神を安定させることこそ最優先。時間をかけてでも治せ。1年でも、10年は困るが」
頭を撫でられない代わりに、グルッペンは精一杯優しい顔を作って笑う。
「ごめん、ありがとう」
席に戻ったAは、少し食べ進めたあと、困ったようにゾムを見る。
「どしたん？」
「食欲が湧かないの。ごめんね、残り、食べてもらえる？」
「ん、ええよ」
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けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (
レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました！！ (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました！(笑)めっちゃ面白い作品でした！ (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー！！！www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム＠スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ！僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月1日 20時
