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仕事も落ち着き、繁忙期を過ぎたAは、業務終了後に部屋でメイド服に着替える。前回は邪魔が入ったが、今度こそゾムに押し倒されて見せる。上から1枚上着を羽織ったAは部屋を出て、ゾムの自室を叩く。
「ゾムー」
「どしたん?」
ガチャっと扉を開けたゾムは、Aだと分かるとすぐに部屋に入れる。ニコニコしながら、Aは上着を脱ぎ捨てて恥じらいつつ裾を広げる。
「お仕事お疲れ様です。ご主人様」
「っ!!!!可愛い……!!」
口元を押さえて天を仰ぐゾム。行け、もう一押しだとグルッペンの声が脳内に響く。
「……ゾム、好きだよ」
上目遣いで胸を押し付けて、ゾムの割れた腹筋を服の上から指でなぞる。ゴクッと唾を飲んだゾムは、息を荒くしてAに手を伸ばす。そのまま壁まで追い詰めると、逃げられないようにAの足の間に膝を入れ、両手を顔の横につく。
「どうして欲しいん?」
「……っ、今まで、してない事」
やはり怖くてそれ以上は言えない。本当は、抱 いて欲しい。めちゃくちゃにして欲しい。でも言って引かれた時が怖い。
「俺もうギリギリやで?」
「……?」
ニヤッと笑ったゾムは、ソっとAの口に自身の口を重ねる。喜んだのも束の間、ぬるりと唇の間を割ってゾムの舌が口内に侵入してきた。
「んぅ……ろ、む」
知らない感覚。だが、長い舌が口内を縦横無尽に犯 すのは気持ちが良い。脳が正常に働かない。腰が抜けてもゾムは片手で支えてキスを続ける。
「んぁ、きもひ、ゾムぅ」
涙目でゾムの服を握り、鼻を抜けるような声を聞いてしまえば、ゾムの強靭な理性が崩れるのも遅くは無かった。キスをしたままAを抱き抱えると、そのままベッドに押し倒す。
獣のような目をしたゾムは一瞬でメイド服をとっぱらい、Aを下着姿にする。
「っはぁ、最高や……」
ギラっとした尖った歯が見える。
これからゾムに抱 かれるのだと分かると、嬉しかった。念願叶った気分だ。ただ、それを上回る恐怖。経験したことの無い事をする。しかも、痛いという噂があるのだから。その震えがゾムにも伝わったらしい。彼は目覚めたような顔をする。
「……怖い?A」
「こ、こわくない」
「じゃあ、なんでこんな震えてんの」
「それ、は…」
「…ごめんな。怖がらせた。頭冷やしてくるわ」
Aの上から退いたゾムは、自分の頬を叩いた後に部屋を出て行った。Aは服を整えて自室に戻る。
「情けない……直前で、怖くなるなんて」
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けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました!! (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました!(笑)めっちゃ面白い作品でした! (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー!!!www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム@スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ!僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年8月1日 20時