検索窓
今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:430,561 hit

69 ページ20

エディスを地下牢にぶち込んチーノは、ケラケラ笑って、Aの頭に手を置いた。

「お手柄やん」

「ありがとうございます」

身を縮ませて、チーノの手を避けると、Aはサッサと部屋に戻った。ムッと口を尖らせたチーノは、しつこくAを追った。

「なんで避けるん?そんな俺の事嫌い?」

「嫌いじゃないです。苦手です」

「ほぼ一緒やろ。なんで嫌いなん?」

「タイプが一緒だからじゃないですか?……いや、もう少し無干渉になってくだされば、好きになるかもしれませんね」

「えー、折角の後輩やし、可愛がりたいやん」

「その後輩が望んでない事をするのは……ねぇ?」

「可愛くない奴〜」

「結構です。では」

自室へ戻ったAは、ベッドに寝転んだ。枕元の机には、1つのカメラが置いてある。前に、エーミールのカメラが壊れたらしく、高いの欲しいなぁと呟いていたのを聞いたAは、犯人探しを引き受ける代わりに、高いカメラを買ってもらった。

しかし、渡すタイミングが分からない。今まで、人と深く関わってこなかったAは、イマイチ人との接し方や、どうすれば喜ぶのかというのを考えるのが苦手だ。

カメラを綺麗な袋に包み、エーミールの部屋を訪れた。相変わらず綺麗で、本や資料だらけだ。

「Aちゃん、何それ」

「……プ、プレ……ゼント……です」

恥ずかしそうに渡したAは、小さく、開けてください……と目を逸らして言った。エーミールは、袋を開けた瞬間、目元を緩ませ、Aを撫でた。

「ありがとう、優しい子やね」

「……日頃の、お礼と、あの時助けてくれたお礼です」

「あの時って……10年前の話やん。あ、折角やし、写真撮る?」

「……いいですね」

エーミールと初めて会った日、まだY族が幸せに暮らしていた時の事。Aは、エーミールと出会い、話が合って仲良くなった。エーミールが勤めている大学の前で撮った写真は、Aの唯一無二の宝物だ。

それを、16年越しにもう一度撮る。大学ではなく、基地の前で、Aとエーミールは並んだ。


近くを通ったゾムにシャッターを切って貰った。

「行くで〜、ハイ、チーズ」

16年前と違って、笑顔が硬いAと、少し老けたエーミール。だが、Aにはいい思い出となった。

「部屋に飾りますね」

「恥ずかしいなぁ」

「仲ええな、ホンマに」

睨むように見るゾムに、Aはへらりと笑って返す。

「教授は、家族みたいな方ですから」

「ふーん」

70→←68



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (314 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1179人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , wrwrd! , 軍パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- ページ40の話の上から11行目(文字が開いて行数で書かせていただいております)zm様の言葉が、「分かった!!行ってくる!! という表記になっております。細かくて申し訳ないです。ごめんなさい。 (8月24日 3時) (レス) @page40 id: 7197a413b4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - え……え????いや、これは訳ありパターン…続編も楽しみにしてます! (2021年3月30日 17時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - え、夜ダメとか可愛いかよ((( (2021年3月30日 14時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - コメント失礼します!64がなにもない状態で公開されちゃってます!あれ?私が見えてないだけでしょうか…間違いでしたらごめんなさい。 (2021年3月27日 17時) (レス) id: 0c3a2b2511 (このIDを非表示/違反報告)
小茶丸 - 続編おめでとうございます!続きが楽しみだぁ! (2021年3月23日 23時) (レス) id: dd1575ae33 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月22日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。