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大学の前で右往左往していると、パサッと頭にタオルがかけられた。
「何ボーッと突っ立てるんすか。はよ入りましょうよ」
掠れた声で。散々泣いた後のような。
「ごめんね、ショッピ君。それは出来ない。また迷惑かけちゃうから」
「……それがなんですか。うわ、血塗れやん。絶対有刺鉄線乗り越えてきたやろ。確か水泳部が
グイッと手を引っ張られる。
「ショッピ君……」
「え？あぁ、痛かったっすか？我儘やなぁ」
ショッピ君は呆れると、私をヒョイっと持ち上げる。そうじゃない。私の話はまるで聞かずに、ショッピ君はシャワー室に私をぶち込む。
「女物の服とか無いんで。俺の着てください。一応、洗ってますから。綺麗ですよ」
シャワー室前の籠に置かれた服達。ショッピ君達の部屋に置いてある私の大きな鞄に服は何着か入っているのだが、今は彼の厚意に甘えておこう。
「ありがとう、ショッピ君」
体を入念に洗って、跡のついた手足を見下ろす。いつから彼らは変わってしまったのだろう。2､3年前までは、普通に接していたのに。いつの日からか、彼らは異常なスキンシップを取ってくるようになって。会う度に好きだとか、可愛いだとか言うようになった。
「ふぅ、」
着替えを済ませて、シャワー室を出る。ホカホカで温かい。
「っ、Aさん！」
私の姿を見るなり、教授は駆け寄って抱きしめる。彼らに抱きしめられるのは嫌悪感が凄かったのに、教授に抱きしめられるのはなんだか、安心する。
「心配しました。どうやってグルッペンを騙して軍に入ろうかとか、もういっそ軍を爆破して乗り込もうとか色々考えて…。とにかく、無事に帰ってきてくれて良かった」
「教授。私、海外に移住します。これ以上、ご迷惑はおかけできません。人の優しさに触れられて良かったです。機会があれば、また会いましょう」
「勝手に話を進めないでください。勿論、今後のことについても考えました。大学ではなく、私の家で匿います。私の今の家は、前に住んでたところと違うからグルッペンさんも知らないし、辺鄙な場所にあるから、分かりづらい。護衛のために、チーノ君とショッピ君も住みます。だから、安心して」
「あ、Aさん！俺今から車出すんで、乗って下さいよ」
「チーノ君。見ず知らずの私になんでここまで良くしてくれるの？」
「見ず知らずちゃうし。同じ職場で働く同僚ですよ」
ああ、また泣いてしまう。
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硝子玉(プロフ) - 最後まで不穏ですね、彼らが妥協するまで眉を顰めて読んでいました。面白かったです。後輩2人が実は同じことしてた、なんて考えましたが流石にそんなことありませんでした。誰の子とも言える書き方が素晴らしいと思います。命令内容が子供を守れとかだと面白いですね。 (8月3日 17時) (
レス) @page41 id: d2ec184a3c (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - めっちゃ良かった！！emさんとsypくんとciくんが…！カッコ良すぎて萌え死にする…！そしてなんとなくgrさんだと思います。他の作品も頑張ってください！ (2022年12月27日 9時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
かきくけの(プロフ) - 個人的にはsnが味方っぽいけど本当は幹部達と同じことしてて、罪悪感から助けてだけど子供がsnの子だったから顔が合わせられなかったとかだったら熱いな。でもたぶんgrさんの子な気がする (2022年10月17日 23時) (レス) id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 完結おめでとうございます…そしてありがとうございます…！！！序盤が凄く暗かったからこそ、最後のあたたかい終わり方が心に沁みました。てかemさんとshpci後輩かっこよすぎですね一生愛せます！！！今回も素晴らしすぎる作品をありがとうございました！！！ (2022年10月15日 13時) (レス) @page38 id: 8509ca10df (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！本当に物凄く心を掻き乱された作品でした。とてつもなく良い意味で。素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年10月15日 13時) (レス) id: ddb5b2a27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月26日 18時
