【d!】俺らから逃げれると思っとんの？

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「何の用です？」

「おう、エミさん！久しぶりやな！」

エーミールの質問を無視して、ゾムが笑いながら言う。

味方最強の脅威、ゾム。嘘を吐いても見抜く男、トントン。演技をさせたら右に出る者はいない、コネシマ。グルッぺンはAを最速で連れ戻せるであろうメンバーで向かわせた。

「エミさん。A、居るやろ。ここに」

コネシマは顔こそ笑っているが、声は冷たい。とはいえエーミールも演技派だ。一切の表情の変化を見せずに首を傾げる。

「Aさん……しばらく会ってませんねぇ。彼女に何かあったん？」

「……っ、居なくなってもうてな。探しててん。ホンマになんも知らん？」

「ええ」

「じゃあ、調べさせて貰うで」

「ちょ、待って！？勝手に入らんといて……！？もぉ！俺が理事長に怒られるんやけど！トントンさぁん！？」

エーミールはわざと大声を出して、彼女達にゾムらが進入したことを知らせる。ショッピ達の部屋のクローゼットに隠れたAは心臓が縮み上がりそうだった。

「Aさん、大丈夫や。絶対俺らが守ったりますから」

「……っ、お願い」

ショッピのその声は、不安定な精神を支えてくれる1つだった。やがて、この部屋にもトントン達がやって来た。

「すまんなぁ、ちょっと調べさせて貰うで〜」

「あ、ショッピ君やん！元気そうやな〜」

「クソ先輩。生きてやがりましたか。なんです？いきなり」

Aの潜むクローゼットまでわずか3m。

「ちょっと調べさてくれへん？」

「何をです？」

「人探し」

「人なんか来てませんよ。俺らの部屋、実験器具とか危ない薬品とかいっぱい置いてるんで、下手に触らん方がええっすよ！！！」

すると、ゾムがチーノにナイフを向ける。

「Aの気配がする。何か知っとるやろ。お前」

「その人なら、さっきここを訪ねたあと、海で船探す言うてましたよ。そのせいちゃいます？」

「船……！」

チーノの嘘に見事引っかかった3人。トントンは怪しんでいるが、先程の危ない薬品ばかりという言葉のせいでそれ以上進む気がしないらしい。

「ほーん、悪かったな。ええ情報、ありがとうな」

「コネシマさん」

「なんや？ショッピ君」

「探し人って、見つけてどうするんですか」

「アーッハッハッハ！おもろい事聞くやんけ！んなもん、監 禁して、一生俺らが育てたんねん。何度も孕ませて、死ぬまで愛したるんや……」

「っは、狂っとる」

「狂わせたのは、あの女、Aやで」

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