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「あっ、コイツら……」
心当たりがあるらしいチーノ君はため息をつく。
「昼間、市場で博打やってたんすよ。そん時、こいつら負かしてきて……」
確かに。今日チーノ君は機嫌が良かった。イカサマを見破って元の金を8倍にして帰って来たからショッピ君達が胴上げしていた。
「じゃあな」
ズルズルと死体を引きずって帰るオスマン達。食前に見るものでは無かった。
「飯食お」
「食欲失せた……」
「教授。お掃除手伝いますよ」
「っはは……ありがとう」
可哀想に。私たちはいい香りの漂うキッチンに戻って各々好きな量のシチューをよそって食べ始める。やっぱり教授の作るご飯は美味しいや。
数日後、ペ神から手紙の返事が来た。
『Aへ。Aからこういう手紙が来て嬉しいんやけど、俺は赤ん坊を取り上げた経験も無いし、知識も無い。何より、俺は1度Aを見捨てた最低な男やから。信用におけるアンタの主治医に任せて。ごめんな。俺もいつかは会いに行くから」
きっとペ神は罪悪感から来たくても来れないのだと思う。ソっと手紙をしまって、お腹を撫でる。確かに、ペ神は彼らの行為を知ってながらも無視していた。でももう許している。あの決別の日から今までの事は水に流したのだから。
でも、彼の時は止まったまま。でも、彼が決めたのだから仕方ない。
「教授。子が生まれた時、私達の関係性はどう説明すれば良いと思いますか」
「え？家族じゃダメですか？」
「でも」
「私達に家族が増えるだけの話です。家族とは、必ずしも父と母が居て、子がいるものでは無いですから。ね？」
「……はい」
そして、ついに時は来た。
「ッ……ノ君、ちいの、くん。じん、つう」
自室で仕事をしていたら、強烈な痛みが襲ってきた。私はなんとか彼の部屋まで歩いて戸を叩く。
「Aさん！？陣痛……すぐ兄さんの病院に電話します！ショッピ……はアイツ今日大学や……」
チーノ君は慌てて兄さんと教授とショッピ君に連絡をする。それを終えると、私を抱き抱えて車まで運ぶ。
「痛いの痛いの、飛んでけ」
チーノ君が発車前にかけてくれた魔法のおかげで、少し痛みが和らいだ気がした。
病院に着くと、すぐに兄さんが出迎えてくれる。
「良かった。すぐにエミさんとショッピ君も来るって。……ついにですね」
「え？」
「いや、なんでもないです」
誤魔化されたけど、私は知っている。彼の言葉の続きを。
ついに分かる。私のお腹の子は誰との子か。
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硝子玉(プロフ) - 最後まで不穏ですね、彼らが妥協するまで眉を顰めて読んでいました。面白かったです。後輩2人が実は同じことしてた、なんて考えましたが流石にそんなことありませんでした。誰の子とも言える書き方が素晴らしいと思います。命令内容が子供を守れとかだと面白いですね。 (8月3日 17時) (
レス) @page41 id: d2ec184a3c (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - めっちゃ良かった！！emさんとsypくんとciくんが…！カッコ良すぎて萌え死にする…！そしてなんとなくgrさんだと思います。他の作品も頑張ってください！ (2022年12月27日 9時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
かきくけの(プロフ) - 個人的にはsnが味方っぽいけど本当は幹部達と同じことしてて、罪悪感から助けてだけど子供がsnの子だったから顔が合わせられなかったとかだったら熱いな。でもたぶんgrさんの子な気がする (2022年10月17日 23時) (レス) id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 完結おめでとうございます…そしてありがとうございます…！！！序盤が凄く暗かったからこそ、最後のあたたかい終わり方が心に沁みました。てかemさんとshpci後輩かっこよすぎですね一生愛せます！！！今回も素晴らしすぎる作品をありがとうございました！！！ (2022年10月15日 13時) (レス) @page38 id: 8509ca10df (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！本当に物凄く心を掻き乱された作品でした。とてつもなく良い意味で。素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年10月15日 13時) (レス) id: ddb5b2a27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月26日 18時
