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「教授…」
顔を上げれば、教授が銃を発砲した事がわかった。
死なせてくれなかった。
正確に銃を撃ち抜き、私の手から銃を離させた。武器を失った私はすぐにシャオロンに拘束される。ただのバックハグだが、絶対に逃げられない。お腹の前で組まれている手が強く食い込む。
「苦し、」
「苦しいん？可愛ええなぁ、その顔」
「決めるか」
グルッペンは重々しい口を開く。
「そこまで…死にたくなる程追い詰められているのなら、分かった。もうAに執着するのは止す。だが、俺らの好意は募っていくばかり。3日に1度でもええ。会いに来てや。俺らも会いに行く。それやったらええ？」
「うん。ごめんね、ありがとう」
ゾムもシャオロンもロボロも大先生もみんなみんな、不満そうだった。でも、グルッペンの最終決定に皆は従うことにしたらしい。私は速やかに教授に渡された。シャオロンは手を離したくないらしく、名残惜しそうにゆっくりと小指の先まで絡めたあと、離した。
「A。愛している」
「ごめんね」
「指名手配はすぐに取り下げる。だから、自由に暮らせ。そんで、エミさん。軍に入れや」
「しつこいわ。入らへん。守るべき大切な人ができた今、危ない職業には就けません。ただ、内ゲバくらいなら参加してあげますよ。グルッペンさん限定ですけど」
「お前俺への殺意えぐない？」
この別れに涙は要らない。皆笑顔で別れよう。今生の別れじゃないんだ。ただ、住む場所が変わるのと、彼らの好意を受け取らないという選択を取っただけ。
もう首輪は要らない。
軍を出て教授の車に乗るなり、ショッピ君に罵られる。
「馬鹿な事せんといてくださいよ。寿命が100年縮みました」
「随分と長生きの予定なんだね。…なんで泣いてるの？チーノ君」
「Aさんが居なくなると思って…」
私の腕に抱きついて肩に顔を埋めて泣くチーノ君。
「出発しますよー」
教授がアクセルを踏んで車が発進する。軍基地がどんどんと遠くなるのを眺めつつ、私たちの家に帰る。
「ただいま」
皆でリビングから向かって教授に食べ物を強請る。
「カップ麺じゃアカン？」
「これだから童貞は…エミさんの奢りでフレンチ！」
「はぁ！？イタリアンやろ！！」
「Aさんどっち？」
チーノ君に聞かれて私は首を竦めて言う。
「カップ麺でいいじゃん」
「妊婦が何を言うてんの！？」
「はいはい、やめやめ。俺が何か作ったるから」
「勝った」
これが私の家族。
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硝子玉(プロフ) - 最後まで不穏ですね、彼らが妥協するまで眉を顰めて読んでいました。面白かったです。後輩2人が実は同じことしてた、なんて考えましたが流石にそんなことありませんでした。誰の子とも言える書き方が素晴らしいと思います。命令内容が子供を守れとかだと面白いですね。 (8月3日 17時) (
レス) @page41 id: d2ec184a3c (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - めっちゃ良かった！！emさんとsypくんとciくんが…！カッコ良すぎて萌え死にする…！そしてなんとなくgrさんだと思います。他の作品も頑張ってください！ (2022年12月27日 9時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
かきくけの(プロフ) - 個人的にはsnが味方っぽいけど本当は幹部達と同じことしてて、罪悪感から助けてだけど子供がsnの子だったから顔が合わせられなかったとかだったら熱いな。でもたぶんgrさんの子な気がする (2022年10月17日 23時) (レス) id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 完結おめでとうございます…そしてありがとうございます…！！！序盤が凄く暗かったからこそ、最後のあたたかい終わり方が心に沁みました。てかemさんとshpci後輩かっこよすぎですね一生愛せます！！！今回も素晴らしすぎる作品をありがとうございました！！！ (2022年10月15日 13時) (レス) @page38 id: 8509ca10df (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！本当に物凄く心を掻き乱された作品でした。とてつもなく良い意味で。素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年10月15日 13時) (レス) id: ddb5b2a27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月26日 18時
