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「俺のA……」
私の耳元でど低音で囁かれる。私がギュッとシーツを握ると、グルッペンは逃げれないようにガッチリと抱き締めて笑う。
「おやすみ、A」
「…………おやすみ」
暗い部屋で、私は彼の寝息を聞きながらソッと目を閉じた。
翌朝、物音がして目を覚ます。起き上がると、丁度着替え中のグルッペンと目が合った。軍服のボタンをかけ違えたらしい。難しい顔でかけ直していると、私に気付いて難しい顔を砕いて、柔らかい笑みを向ける。
「起こしてもうた？ごめんな。おはよう」
「おはよ、」
目を擦ってから大きく伸びをしてベッドを降りると、グルッペンから軍服を渡される。それは以前私が着ていたものと全く同じ。私の功績を讃える数々の勲章は剥奪されているものの、腕の部分のほつれとこの私のAの頭文字が刺繍された軍服。間違いない。
「しっくりくるやろ？」
「うん」
悔しいけど、今まで着てきた服の中で1番これがしっくりくる。
「一緒に飯食いに行こか」
「……うん」
グルッペンと共に食堂に入ると、皆の視線を集める。指名手配されている私がここに居ることを不思議に思っている兵士達は、何も言わずに口をあんぐりと開けている。
席に座ろうとする前に、大先生が飛んできて私にギュッと抱きつく。
「Aちゃんおはよ。今日なぁ、朝食なんやけど、俺がシェフに頼んでAちゃんの好物にしてもらったんよ。せやから褒めて。ご褒美のチューして」
「ありがとう、大先生」
「チューは？」
「でも、」
「してくれへんの？エミさん達がどうなってもええんや」
「っ、卑怯」
「それが俺や」
私は背伸びをして彼の頬にキスをする。不満気に口を尖らせる大先生。
「口にしてくれへんの？」
「ほっぺじゃ嫌なの？」
「っ!!!!ほっぺって言い方バリ可愛ええから許す！！」
脳内お花畑の大先生はニタニタ笑いながら自分の席についた。
私の席にある朝食。大好きなメニューなのに気分は乗らない。
どうしてだろう。
チーノ君の凄惨な目玉焼きの方が美味しそうに見える。
美味しかった。懐かしい味だ。でも満たされない。
その時だった。食堂の扉を蹴ってロボロが入ってきた。息を切らして、片手には小型のモニターを持っている。そこに映し出されていたのは、点滴と共に歩く教授とショッピ君。それをサポートするチーノ君の姿。問題は場所だ。3人がいるのは、軍門の前。
教授の手にある紙には大きくこう書かれていた。
『宣戦布告』
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硝子玉(プロフ) - 最後まで不穏ですね、彼らが妥協するまで眉を顰めて読んでいました。面白かったです。後輩2人が実は同じことしてた、なんて考えましたが流石にそんなことありませんでした。誰の子とも言える書き方が素晴らしいと思います。命令内容が子供を守れとかだと面白いですね。 (8月3日 17時) (
レス) @page41 id: d2ec184a3c (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - めっちゃ良かった！！emさんとsypくんとciくんが…！カッコ良すぎて萌え死にする…！そしてなんとなくgrさんだと思います。他の作品も頑張ってください！ (2022年12月27日 9時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
かきくけの(プロフ) - 個人的にはsnが味方っぽいけど本当は幹部達と同じことしてて、罪悪感から助けてだけど子供がsnの子だったから顔が合わせられなかったとかだったら熱いな。でもたぶんgrさんの子な気がする (2022年10月17日 23時) (レス) id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 完結おめでとうございます…そしてありがとうございます…！！！序盤が凄く暗かったからこそ、最後のあたたかい終わり方が心に沁みました。てかemさんとshpci後輩かっこよすぎですね一生愛せます！！！今回も素晴らしすぎる作品をありがとうございました！！！ (2022年10月15日 13時) (レス) @page38 id: 8509ca10df (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！本当に物凄く心を掻き乱された作品でした。とてつもなく良い意味で。素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年10月15日 13時) (レス) id: ddb5b2a27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月26日 18時
