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檻の中からグルッペン達を見上げる。
「ああ、その反抗的な目……実に可愛らしい。目玉を抉りとって食いたいくらいにな」
「っ、」
グルッペンは冗談ではなく、本気で言っている。だからこそ鳥肌が止まらない。すると、総統室の扉が勢いよく開いた。
「Aが帰って来たってホン……マ……A！！！！」
ゾムは私を見るなり飛びついてくる。檻の前で私にニコニコと笑いかけて、手を伸ばす。
「可愛ええなぁ。おかえり」
スっと頭を撫でられる。彼の鋭い犬歯が部屋の明かりを反射して光る。
「A。晩飯は何がええ？妊婦さんやし、塩分濃いものとか嫌やろ？」
平然と聞いてくるロボロに恐怖を覚える。彼らの作るものなんて、何が入ってるか分からない。精 液が入っている可能性だって十分にある。
「……要らない」
「そしたら死んでまうやんか。Aが死んだら俺ら、何するか分からんよ？」
トントンは私の髪の毛を手で梳きながら言う。
「皆はいつからこうなっちゃったの……？」
檻を手で掴んで、彼らを見上げる。まだ良心が残っているなら、答えてくれるはず。
「……2年前、お前が他国の組織が起こしたテロに巻き込まれたやん。そんで、瀕死の重体になった。あん時に俺らは、Aが死んでまうかもって思って、そんで、Aへの好意に気付いたんや。どれだけ好きって言っても伝わらへんから、孕ませたった。でも、Aも嬉しいやろ？俺らとの子ができて」
目の中にハートを浮かべて話すシャオロン。
「……あの事件から、皆おかしくなっちゃったの？」
「おかしい訳ないやんか。これが正常やで、A。好きな女に対して本気になっとるだけや。俺らは」
オスマンまでもが狂ってしまっている。そういえば、ペ神の姿が見えない。
「……ペ神は？」
「医務室。Aちゃんが帰って来たって言うたら、倒れてもうて。そんなに衝撃やったんか〜」
ごめんね、ペ神。コイツらから逃げるなんて、無理だったわ。
「A。愛しているぞ」
グルッペンの声が重く私の心にのしかかる。私に愛を囁かないで。辛いから。聞きたくないから。
それから夕方になって、グルッペンがパンとスープとサラダを持ってやってきた。
「ご飯やで」
「要らないってば」
「……変なもの入れてへん」
パクッとその場でた食べたグルッペン。でも食欲が無いのだ。静かに首を振ると、グルッペンはスープを口に含んで、口移しで流し込んできた。
「なら俺が食わせたるわ」
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硝子玉(プロフ) - 最後まで不穏ですね、彼らが妥協するまで眉を顰めて読んでいました。面白かったです。後輩2人が実は同じことしてた、なんて考えましたが流石にそんなことありませんでした。誰の子とも言える書き方が素晴らしいと思います。命令内容が子供を守れとかだと面白いですね。 (8月3日 17時) (
レス) @page41 id: d2ec184a3c (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - めっちゃ良かった！！emさんとsypくんとciくんが…！カッコ良すぎて萌え死にする…！そしてなんとなくgrさんだと思います。他の作品も頑張ってください！ (2022年12月27日 9時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
かきくけの(プロフ) - 個人的にはsnが味方っぽいけど本当は幹部達と同じことしてて、罪悪感から助けてだけど子供がsnの子だったから顔が合わせられなかったとかだったら熱いな。でもたぶんgrさんの子な気がする (2022年10月17日 23時) (レス) id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 完結おめでとうございます…そしてありがとうございます…！！！序盤が凄く暗かったからこそ、最後のあたたかい終わり方が心に沁みました。てかemさんとshpci後輩かっこよすぎですね一生愛せます！！！今回も素晴らしすぎる作品をありがとうございました！！！ (2022年10月15日 13時) (レス) @page38 id: 8509ca10df (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！本当に物凄く心を掻き乱された作品でした。とてつもなく良い意味で。素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年10月15日 13時) (レス) id: ddb5b2a27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月26日 18時
