【d!】俺らから逃げれると思っとんの？

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「受けて立つって……アンタ、戦えへんやんか」

シッマが小馬鹿にするように言う。教授は私を守るように立つと、パサッと毛布をかけてくれる。そういえば下半身は下着のままだ。カーッと顔を赤くして俯くと、静かに怒る教授の低音が鼓膜を揺らした。

「合意無しに女性とそういう行為に及ぼうとするのはどうなんですか？コネシマさん」

「なんやエミさん。童貞の癖に、俺を諭そう言うんけ？」

「関係ありません。人としての道を逸れた貴方への説教です。昔はまともやったやん。なぁ、コネシマさん。グルッペンさんとか、ゾムさんとか、どうしておかしくなってしまったのですか」

「っは、エミさんには関係あらへんやろ。ああ、友を殺すのは気が重いわ」

シッマは冷静に銃を抜いて教授に照準を合わせる。教授も同じタイミングで銃を抜き、シッマの額に照準を定める。緊迫した空気が流れる。

「A。他の部屋で隠れとき。流れ弾当たってまうから」

シッマは私に優しく微笑む。やめてよ、優しくしないでよ。まともだった時の君達を思い出すと胸が張り裂けるような痛みに襲われるんだ。

「Aさん下がってて。すぐ迎えに行きますから」

続けて教授の穏やかな声。私を安心させようとその声を作っているのだろう。教授の緊張は隠しきれていない。我々国軍の隊長とタイマンなのだから、当然だ。

「恨むなよ」

「負ける気はありませんよ。俺には３人の守るべき大切な人が居る。彼らを残して、死ねません」

「あっそ」

冷たく吐き出された言葉と共に発砲される銃弾。それを避けた教授はシッマを撃つが、シッマはナイフで銃弾を弾く。私は逃げることもできずにその場に縛られていた。

どちらにも死んで欲しくない。嫌だ。やめて欲しいのに。その声は口から出ていってくれない。

口を開くと掠れたただの空気になってしまう。

「俺は、あの日からAを手放さんって決めてん。ずっとずっとずっとずっとずっとずっと、俺らの横に置いとかな気が済まん。Aの可愛ええ笑顔も、俺らを生かそうと頑張って戦場を指揮して作戦を立ててくれとる姿も、俺らだけのものやねん！！！」

「違う！！！！彼女の人生は彼女のものや！他人にそれを侵害する権利は無い！いつになったら気がつくんです！？貴方達の身勝手なその想いが、彼女を苦しめている事に！」

「黙れや……」

シッマの銃弾はついに教授の胸部を撃ち抜いた。

「っは、俺の勝ちや」

「ッ……エミさん……!!!!!!」

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