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「チーノ君……!!!」
勇敢に立ち向かうのは素晴らしい。だが、無謀だ。こっちは素手であっちは武装している軍人。
「なんや、チーノ。お前、俺に勝つ気で居るん？」
「知り合いなの？」
「あっ、話してなかったですね。俺の孤児院の先輩です。……Aさんをこれ以上不幸にすんなや」
「は？何を言うとるん？Aの1番の幸せは俺と居ることや。A。お腹の子も、パパと一緒がええんちゃう？お迎え棒したろか？」
「お迎え棒……何それ」
「聞かん方がええ!!!!!っ、頭おかしいんとちゃうか。おぞましいわ」
チーノ君が凄い剣幕で遮る。トントンはケタケタ笑いながらゆっくりと彼の愛用する大剣を抜く。ギラッと太陽光を反射して光る剣。
「チーノ君、一緒に逃げよう！無理だよ、勝てない……！」
「情けないなぁ、チーノ？女にそんなん言わせるなんて。A。恥ずかしがらんと、はよ帰ろうや。パパが待っとるよ」
「ふざけないで。貴方達が、この子達の親になる資格は無い！」
「達って……もしかして双子なん！？ケヒヒッ、俺らの愛が強すぎたんやなぁ。おいで、大人しく戻って愛されとき」
「Aさん。下がっててください」
「っ、でも」
「タイマンで俺に勝てるんか？あ？はよかかってこいや。吠えるだけの犬なんか怖ないぞ」
「トントン……確かに俺はあの地獄とも言える孤児院生活で、1回もお前に勝てた事なんて無い。でもな、俺はお前と違って弱かったからこそ、手に入れた物がある」
「なんや、ヒーロー気取りか？痛いぞ」
「なぁ、トントン。俺は一言もタイマンとは言うてへんよな？」
チーノ君が口角をあげた瞬間、どこからか銃弾が飛んできて、トントンの右脇腹を掠める。ゆらりゆらりと森の奥から姿を現したのは、拳銃片手に不敵な笑みを浮かべる教授だった。
「避けられましたか。奇襲なら貴方にも勝てると思ったんですけどね、トントンさん。さあ、2対1。引き際は見極めるべきですよ」
「雑魚が何人かかってこようとも、無駄や！A、待ってろよ？」
トントンの真っ黒な笑みが向けられる。ゾワッと寒気がした。目の前で繰り広げられる壮絶な戦い。2対1でもトントンの動きを止めることはできないのか。
いや、諦めちゃダメだ。私は元参謀総長。どんな不利な状況でもひっくり返して勝利にする。戦いに於いて、参謀総長は勝敗の全てを任されている。
私は愚将じゃない。
それに、この戦いは勝てる。私は銃を片手に1歩踏み出した。
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硝子玉(プロフ) - 最後まで不穏ですね、彼らが妥協するまで眉を顰めて読んでいました。面白かったです。後輩2人が実は同じことしてた、なんて考えましたが流石にそんなことありませんでした。誰の子とも言える書き方が素晴らしいと思います。命令内容が子供を守れとかだと面白いですね。 (8月3日 17時) (
レス) @page41 id: d2ec184a3c (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - めっちゃ良かった！！emさんとsypくんとciくんが…！カッコ良すぎて萌え死にする…！そしてなんとなくgrさんだと思います。他の作品も頑張ってください！ (2022年12月27日 9時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
かきくけの(プロフ) - 個人的にはsnが味方っぽいけど本当は幹部達と同じことしてて、罪悪感から助けてだけど子供がsnの子だったから顔が合わせられなかったとかだったら熱いな。でもたぶんgrさんの子な気がする (2022年10月17日 23時) (レス) id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 完結おめでとうございます…そしてありがとうございます…！！！序盤が凄く暗かったからこそ、最後のあたたかい終わり方が心に沁みました。てかemさんとshpci後輩かっこよすぎですね一生愛せます！！！今回も素晴らしすぎる作品をありがとうございました！！！ (2022年10月15日 13時) (レス) @page38 id: 8509ca10df (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！本当に物凄く心を掻き乱された作品でした。とてつもなく良い意味で。素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年10月15日 13時) (レス) id: ddb5b2a27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月26日 18時
