【d!】俺らから逃げれると思っとんの？

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「何が食いたいんです？」

「え〜？んー、海鮮……」

「っはっはっ！オムライスとかハンバーグとか可愛ええもん頼むと思ってたんすけど」

「食に可愛さ求めてどーすんのよ。ショッピ君、海鮮嫌い？」

「大丈夫っすよ、別に。じゃあ、あそこの寿司屋でテイクアウトしてきますね。寿司がいいですか？」

「お寿司いいね。何でも好きだから、1番安いので」

「はーい」

ショッピ君は車についているカーテンを全て閉めて、車にロックをかけて行った。私は改めて自分のお腹を見下ろす。

双子、か。もし元気に生まれて来てくれたなら、その時は教授達に子供の名前を考えてもらおう。少し寝て待っていると、ショッピ君が戻って来た。

「見てくださいよ。高級魚をふんだんに使った超豪華な寿司」

「1番安いやつでいいって言ったじゃん…」

「いやぁ、一目惚れしちゃって」

彼は衝動買いする癖でもあるのだろうか。とりあえず買ってきてくれたことに礼を言って、シートベルトをつける。それを確認したショッピ君は車を発車させる。

「……Aさん。今すぐシートベルト外して屈んで下さい」

「どうしたの？」

「前方にコネシマさんが」

「ッ、ありがと」

すぐに身を隠して、シッマの横を通り過ぎる。バレないかと不安だったが、流石にバレなかった。大先生といい、シッマといい、普段巡回なんて面倒臭いと言っていた彼らがここまで活動的になっている。相当やばい。

「ショッピ君達も、なるべくシッマ達に会わない方がいいよ。きっと、君達のこと邪魔に思っていずれか殺しにくる。特にゾムとかシャオロンは気を付けて。狂ってるから。見つかったら逃げれない」

「へぇ、断言するんや」

「したくないけど、それが現実。もうずっと我々国の参謀総長として、軍の作戦行動の指揮を取ってきた。誰がどう来るかなんて簡単に分かるし。だからこそ、言いたくないけど、100％だと言い切れる」

何度も見てきた。最前線で戦う彼らを。

「俺も生き抜くために色々護身術とか学んでたんで。コネシマさん辺りなら抑え込む事、出来ますし。まぁ、ご忠告感謝します」

「シッマを封じ込められるだけでも凄いよ」

気付けば家が見えてきた。車を降りて、玄関の扉を開けるとチーノ君の靴が揃っていた。

「あれ？」

「チーノ、帰ってるんやったら連絡すればええのに、アイツ…」

靴からスリッパに履き替える際、ふいに呟く。

「ただいま」

なんだか恥ずかしいけど、喜びを感じてしまう。

「おかえり」

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