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チーノ君の運転する車の後部座席に腰掛けると、ショッピ君も乗り込んできた。教授は仕事のために大学に残るらしい。
「今、エミさんの元教え子がAさんの為に部屋を掃除してくれてるらしいっすよ」
「先客が居るの？」
「いや、暇人なんで手伝いに来ただけです」
「いい人だね」
しばらくすると、車は森の中に入った。人気のない道をひたすら進んで、いくつもの山を越えると、森の中にポツンと佇む1件の屋敷があった。大きい。
「ここです。どうぞ」
ショッピ君が先に降りて扉を開けてくれた。笑って礼を言って私も降りる。洋風の外観をしたこの屋敷はまさかに隠れ家といった感じだ。私達が車を降りると、奥から人が走ってきた。
白い帽子。赤いリボン。サラサラの金髪。小生意気な態度は変わらず。
「ゆかりちゃん」
「A〜！教授から色々聞いたよ。大変だったね。早く入って。教授のインスタント泥水また飲もう」
私の大学時代の友人、ゆかり。教授の講義を最前列で内職をし、最前列で寝て、時々起きて質問する変わり者。彼女は女性だから。私の気持ちが痛いほど分かるのだろう。ギュッと私を抱き締めると、悲痛な表情を浮かべた。そんな彼女に引っ張られて屋敷の中に連れて行かれる。リビングは広くて、大人数でパーティーができそうだ。
「ゆ、ゆかりちゃん。ゆかりちゃんも教授の助手やってるの？」
「いや、普通に仕事してるよ。Aのために来て欲しいって教授に言われたから来ただけ。じゃあ、も戻るね」
「ありがとう、ゆかりちゃん」
自由気ままなゆかりちゃんはそのまま帰ってしまった。ドアが閉まったのを確認して、チーノ君とショッピ君は私の方を向く。
「とりあえず、部屋行きましょう」
「うん」
荷物を持ってチーノ君の後ろについて行く。2階の階段に近い部屋。ガチャっと開けると、心地のいい木の匂いが鼻に広がった。視界に入ったのは、広い部屋と大きなベッド、本棚、机。それらしいインテリアはまるでないシンプルな部屋。
「ここが、Aさんの部屋。で向かいが俺の部屋で、隣がチーノの部屋です」
「うわぁ……凄い！」
「この廊下を奥に進んだ突き当たりにある部屋が、エミさんの部屋。風呂は1階です。とりあえず腹減ってません？」
「そうだね……」
するとチーノ君が腕捲りをして、階段を降りていこうとする。
「任せてください、Aさん。美味しい昼食を振る舞いますよ！」
「アカン。行くなチーノ」
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硝子玉(プロフ) - 最後まで不穏ですね、彼らが妥協するまで眉を顰めて読んでいました。面白かったです。後輩2人が実は同じことしてた、なんて考えましたが流石にそんなことありませんでした。誰の子とも言える書き方が素晴らしいと思います。命令内容が子供を守れとかだと面白いですね。 (8月3日 17時) (
レス) @page41 id: d2ec184a3c (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - めっちゃ良かった！！emさんとsypくんとciくんが…！カッコ良すぎて萌え死にする…！そしてなんとなくgrさんだと思います。他の作品も頑張ってください！ (2022年12月27日 9時) (レス) @page38 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
かきくけの(プロフ) - 個人的にはsnが味方っぽいけど本当は幹部達と同じことしてて、罪悪感から助けてだけど子供がsnの子だったから顔が合わせられなかったとかだったら熱いな。でもたぶんgrさんの子な気がする (2022年10月17日 23時) (レス) id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 完結おめでとうございます…そしてありがとうございます…！！！序盤が凄く暗かったからこそ、最後のあたたかい終わり方が心に沁みました。てかemさんとshpci後輩かっこよすぎですね一生愛せます！！！今回も素晴らしすぎる作品をありがとうございました！！！ (2022年10月15日 13時) (レス) @page38 id: 8509ca10df (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！本当に物凄く心を掻き乱された作品でした。とてつもなく良い意味で。素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年10月15日 13時) (レス) id: ddb5b2a27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年9月26日 18時
