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1年も経てば、流石に彼らへの恐怖も薄れてきた。首輪も外され、自由行動も許可された。もう逃げる気はしない。『あの日』が来たならばそれは受け入れるしかない。抵抗してより傷付くよりマシだと思う。
そんなある日の晩の事だった。グルッペンに呼ばれた。珍しいと思いつつ、彼の自室の戸を叩くと、相変わらずの低い声が返ってきた。
「グルッペン。入るよ」
幹部でも数人しか立ち入った事の無い彼の部屋。扉を開けると、落ち着いた雰囲気の部屋が。彼らしい部屋だ。
「突然呼び出してすまんな」
「大丈夫だよ。どうしたの？」
「まぁ、ゆっくり話そうや」
読んでいた本に栞を挟んだグルッペンは、本を置いて立ち上がり、私の手を握る。熱くて、大きな手。
「どうぞ、レディ」
「やめてよ、似合わない」
椅子を引いてくれたグルッペンに笑って言い、腰掛ける。私の真正面に座ったグルッペンは、スっと淹れたての紅茶を出した。
「気が利くじゃん」
「お前は俺をなんだと思っている」
「素晴らしいお人。でも、こういう事する柄じゃないと思ってて」
「好きな女にしかやらん。こんな事」
ストレートな言葉に顔を赤くする私を面白そうに見るグルッペン。この顔、好きだな。人間味があって。
「うん、美味しい。紅茶の淹れ方が上手くなったね」
「エミさんに一国の総統が、こんな下手くそでどうすると怒られてな」
「っふ、流石」
暗い部屋で、ランプの灯りだけつけて喋る。彼の低い声は耳に抵抗なく入ってくる。
「ねぇ、ひとらんらんはまだ帰ってこないの？」
「忙しそうだしな。……そんなに会いたいか」
「……約束があるの。どうしても果たしたい約束が。このまま行ったら、果たせない約束。だから」
「俺も、会いたいさ。だから、気長に待とうや。俺らは帰ってきた時、アイツが遠慮せずに居られる居場所を確保しておく事しかできん」
「そう、だね。いや、むしろ会いに行こうかな」
「遠いぞ」
1口茶を飲んで、グルッペンが言う。
「どこだっけ」
「ロチーロイコ魔帝国」
「ああ、そこそこ。元気にしてるといいなぁ」
「せやな」
スっとグルッペンの纏う空気が変わった。どうやら、本題に入るらしい。私も1度思考を整えてグルッペンを見つめる。
「幹部昇格の件について、話がある」
「っ！」
おかしい。シャルルの昇格はまだあと1年先の話じゃ。いや、皆が私に異常な執着を見せたのも、前世では無かった話。前世と今世が一緒だとは限らない。
「聞こうか」
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みりんみそ - 性 癖が、、ワイのド性 癖、、、！！？？ (12月28日 3時) (
レス) @page35 id: 689708648d (このIDを非表示/違反報告)
白米の無い弁当 - やっべ何回でも見返せる(5回目くらい) (12月24日 0時) (レス) @page41 id: b86b104ca2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - あ (11月16日 16時) (レス) id: 5439c0f871 (このIDを非表示/違反報告)
みるく亭 - アッアッアッアッ（過呼吸） 好き…！！ (11月9日 13時) (レス) @page35 id: 78d03dd0b2 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - さいっこうでした…！！！あまりこういうのは好きじゃなかったけど、最後もハッピーエンドで終わって、めっちゃ良かったです！！！応援してます！ (2023年1月14日 9時) (レス) @page35 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年10月26日 19時
