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「どないしよ、同情してなんか悪いことできひんわ」
ショッピが言うと、コネシマが驚いた顔でショッピを見た。
「なんでや!!コイツが情報吐けば、俺ら仕事減るんやで!?」
「まぁ……悪いやつには見えへんよな」
シャオロンの言葉にゾムが頷く。
「Aが基地爆発することを教えてくれんかったら、俺ら巻き込まれとったし」
「それはそうやけど。M国に何万殺された?何万怪我した?こいつは、幹部や。毒ガスの使用について、知っとったはず。こいつも、あの殺戮に関わっとるんやぞ」
コネシマの言葉に、誰も何も言えないようだった。チラッとゾムがAに視線を移すと、Aは目を閉じていた。寝息も聞こえる。
「……起きんかい」
ゲシッとコネシマが足でAの横っ腹をつつくと、Aはジッとコネシマを睨んだ。
「起こさないで貰えます?」
「寝ないで貰えます?」
ボキッと手を鳴らすと、Aは無駄口を閉ざした。すると、昼食のためにロボロが部屋にやって来た。
「相変わらず湿っぽいな、この部屋。1時間居るだけで気ぃ狂いそうやわ。あ、これ飯」
先程と同様に、Aの手錠を外す。Aは、昼食を食べながら、ロボロを見た。
「……1度、会ったことあるんですよ。あなたと」
「えっ!?」
「ずっと昔ですけどね」
クスッとAが笑うと、雑面をしていても分かる程顔が真っ赤になった。何か変なことをしたかとシャオロンに尋ねると、シャオロンは小馬鹿にしたような顔で、ロボロの頭に肘を置いた。
「ああ、童貞なだけやから。女慣れしてへん雑魚。……なぁ、チビ」
「お前、悪口のオンパレードやんけ!!褒めろや!!」
喚くロボロを無視して、シャオロンはAの昼飯をつまんだ。Aは特に何も言わずに、その様子を見ていた。
「ええんや」
「ええ、別に」
ごちそうさまでした、とロボロに食器を返したAは、壁に身を預けた。
そして、夜になり、鬱先生がやってきた。鬱先生は非戦闘員のため、見張りとしてコネシマとチーノ、ショッピ、責任者のトントンが居る。
「Aちゃん。美味しい?」
「ええ」
その瞬間、鬱先生が胸を押さえて倒れた。
「えっ!?大先生!?」
「嘘やろ!?」
慌てる幹部。この軍に、医学に精通しているのは鬱先生だけ。どうすれば……と慌てていると、Aが顔を上げた。
「私の全身の拘束を解くならば助けますよ。私、ナースですから」
意地悪そうに口の端を吊り上げて、Aが笑った。
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はちみつ(プロフ) - 1章お疲れ様でした!2章も頑張ってください! (2021年8月11日 17時) (レス) id: 3af09653e7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - ひよこの子さん!まずは1章お疲れ様でした(; ;)やっぱり前作といい今作といい伏線かな...?と思われる描写がいくつかあり2章、3章がめっちゃ楽しみになりました!毎日ほんとに大量更新ありがとうございます...毎日の楽しみです...!体調に気をつけて頑張ってください! (2021年8月11日 1時) (レス) id: d2abe96452 (このIDを非表示/違反報告)
狗 - ひよこの子さん、こんにちは。普段は作品にコメントとかしないのですが、面白すぎてしてしまいました。ひよこの子さんの作品は、伏線の回収などが丁寧で、見ていてとても楽しいです。お体に気をつけて更新頑張ってください。応援してます!長文すみません! (2021年8月9日 20時) (レス) id: 3a2d3af60d (このIDを非表示/違反報告)
黄山まる(プロフ) - めぇぇぇぇっちゃゃゃゃ面白いです!!!!!!好きです!作ってくださりありがとうございます!!! (2021年8月9日 16時) (レス) id: ecd777805d (このIDを非表示/違反報告)
黒月 - どこがで見たことのある作者様や〜と思ったらほとんどの作品読ませていただいてました今の今まで気づかず申し訳ありません()どの作品も大好きですスッゴく面白いです作ってくれてありがとうございます!!! (2021年8月8日 23時) (レス) id: d980d1e7aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年8月4日 19時