映画編 第5話 ページ4
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『あぁ、懐かしいな…』
「子供の頃から、Aは1倍強かった。
A様は、俺の人生の目標と言っても過言じゃねぇ」
『また何時でも相手するさ、手合わせを楽しみにしてる』
「あぁ!」
その後、私たちは離れていた時間を埋めるように思い出話に花を咲かせた。
リムルも兄さんを気に入ってくれたようで、本当に良かった。
『よし!じゃあとりあえずラージャ小亜国に向かう日程を決めなくちゃな』
「無事に国交が成立した暁には、俺たちが魔王の名にかけて守護することを誓おう!」
「待て、魔王ですって…!?」
リムルがポロリと零した言葉に、兄さんが目を丸くする。
今日1日で彼は何度驚きあの顔を見せただろうか。
「リムル様にA様は、先日魔王として名を挙げられたのです!」
「お二方のご加護があれば何人たりとも恐るるに足りません」
『評価はありがたいが過大評価はやめような、シオン、ヴェル』
確かに大半の者は返り討ちにはできるとは思うが、それこそギィやミリムに攻められる(ないとは思うが)ことがあればひとたまりもない。
「なんと、そんなことになっていたとは…また離されてしまったな、A」
『兄さんだって鬼人に進化したじゃないか、離れるばっかりじゃないさ』
昔話に浸りつつ、ラージャ小亜国への訪問日程は定まった。
皆に酒が回った状態での話し合いだったため、正常な判断ができない者が何人かいたせいで明後日などという急な日程にはなってしまったが。
『…ソウエイ、準備は任せてもいいか』
「…お任せください」
全く、彼には迷惑をかける。
また何か奢ってやるか。
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「A、気をつけてな!」
「旅の成功をお祈りしております」
「何かあればすぐに連絡してくださいよ、兄者も」
上からリムル、シュナ、ベニマルである。
訪問の面々は私、ソウエイ、ヴェル、加えて外交官のゴブリンが2人。
今回の訪問は正式な国交樹立のものでは無いので、華美な装飾や贈り物などは無しだ。
『ああ、良い結果を期待しててくれ』
「次会うときは手合わせでも頼むぜ、若」
多くの仲間たちに見守られながら、私たちは旅路へとついたのだった。
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「A…様、あの湖の奥に見えるのが、我らがラージャ小亜国です」
未だ様呼びに慣れない兄さんの案内で私たちは視線を移す。
…無理に様を付ける必要なんてないのに。
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Mu(プロフ) - イッキ読みしてしまいました!更新を楽しみにしています! (2月29日 17時) (レス) @page4 id: 8120416ddc (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご(プロフ) - この作品とても好きです。何度も読み返してしまいました。更新出来たらお願いします。 (2月5日 17時) (レス) id: f6787a6d04 (このIDを非表示/違反報告)
nijiki(プロフ) - この作品本当に大好きです!続き待ってます! (1月5日 23時) (レス) id: 60a847cabd (このIDを非表示/違反報告)
雛音(プロフ) - この作品、とても好きなので続きが気になります!! (12月20日 10時) (レス) @page4 id: ef5c2f8021 (このIDを非表示/違反報告)
リアン - レオンとの出会い編などの話が読んでみたいです。 (9月23日 22時) (レス) id: 90b815f629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬこ | 作成日時:2022年12月26日 18時