109: ページ26
時間は少し前に戻り。
猟犬伝いでAが何者かに誘拐された事を知らされた武装探偵社。太宰と乱歩は直ぐに「魔人が誘拐した」と云う。
「自宅に帰って油断した時を狙われたんだ…」
太宰が鬼も殺す冷たい目でAが居そうな場所を地図で探していると人の姿をしているヴェントスが
「居た…」
風のようによく通る声を出す。そしてツンと地図のある場所を指し示す。そこは余りに知られていない公園。
「ヨコハマに吹く風を視ていたら，此処に居た」
「案内してくれるかい？」
ヴェントスが蝶の姿に戻ると社の窓からヒラヒラと飛んで出ていく。緑色の鱗粉が飛んだあとに残って光っている。
「太宰，先に行け」
「ッ、はい」
社から飛び出して行った太宰。
彼の珍しい表情と行動に驚いた社員達。乱歩は他の所を探してくれている猟犬に連絡を取るよう国木田に指示をする。
──────────────────
フョードルがAの髪に触れる。一拍置いたあと冷静な声で「一緒に来ませんか?」と云ったがAは申し訳無さそうに首を横に振る。
「ついて行くと大事になります。
それに…お二人の迷惑になる」
すると遠くから太宰のAを呼ぶ声が聞こえる。「お早く」と逃げるのを促す。
「それじゃ行くよドス君」
「はい。Aさん…ではまた」
人体消失マジックの様に消えたフョードルとゴーゴリ。はぁと溜め息をついてその場にしゃがみ込むAを心配したヴェントスが頭の上でクルクルと飛び回る。
「ゎ…私を…何で，…分から…な…い」
「Aちゃん!?Aちゃん!」
太宰がしゃがみ込んだAを呼び掛ける。
「？…，あれ太宰さん」
何時もの平坦な声を聞いた太宰は少し安心をした。そしてAを抱き締めた。心配でどうにかなりそうだった太宰は本当に無意識で抱きしめている。
「太宰さん，後ろ後ろ」
Aの声に促されて振り返る太宰。そこには凄い形相で仁王立ちしている国木田と，ニヤニヤ揶揄う様な視線を送る与謝野。
そしてAを探すのに協力していた条野からエッジの効いた微笑みすら消えている。
「あー…これには訳が…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒灰白有無％(プロフ) - まさかの御義理母様登場！！？文字化けも方もやらせて頂いたのですが怖かったです笑、面白くてここまで一気読みさせて頂きました！引き続き楽しませて頂きます！！ (8月17日 14時) (
レス) @page44 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - お母様！？まさかの展開‼︎ (2022年11月1日 8時) (レス) @page44 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - 御影さん» 本当に本当にわがままを聞いていただきありがとうございます。 (2022年10月29日 21時) (レス) id: caf70309bf (このIDを非表示/違反報告)
御影(プロフ) - ゆっきーさん» 性格，ちょこっとですが書いておきました。 (2022年10月29日 21時) (レス) id: e37802ecfa (このIDを非表示/違反報告)
御影(プロフ) - ゆっきーさん» 良いですよ，性格書いておきます (2022年10月29日 21時) (レス) id: e37802ecfa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：御影 | 作成日時：2022年10月14日 14時
