作戦決行4 ページ22
クソ女は鬼の様な形相で島崎に掴みかかろうとするも、それを阻止したのはクラウィスであった。ギリギリ骨が折れない重力でクソ女を地面に叩きつけ背中を踏み潰している。
「捕まえたぁー」
楽しそうな声とは裏腹にクラウィスの紅玉色の目は明らかにハイライトが無い。クソ女を睥睨しながら更に重力値を高めた。
ズンッとクソ女の体が地面に沈み、肋骨に罅が入る音が聞こえた。
「メモリアお姉ちゃーん!!今だよ!!」
クラウィスが上を見上げて両手をブンブンとふる。アクアの力で拘束されている探偵社社員が一斉に顔を上げると其処には大きな本を持った女性が一人、浮かんでいた。メモリアは持っていた本を広げ、柔らかな声で言葉を放つ。
「黝き虫に食い尽くされた記憶よ、
我が能力を糧に……返り咲け。」
広げた本から溢れ出る文字列を、ヴィトスが風の能力で探偵社社員に運ぶ。記憶回帰となる救いの風刃が社員達に纏わりついていた黝い文字列を切り裂き、消滅させた。
顔を青くしながら呆然している社員達に一斉に飛びついたのはAの異能生命体達。
「キョウカのお馬鹿ー!主様泣いてたんだよ〜」
「クニキダのど阿呆ぉ〜!」
「ジュンイチローもナオミも間抜け!すっとこどっこい!おたんこなすぅ!」
「ヨサノ…私は悲しいです。あれほど主様と仲が良かったのに…あんなアバズレに絆されるとは」
ナオミ、鏡花、ケンジ、与謝野はポカポカ殴るだけで済んでいるが残りの男性陣はそうは問屋が降ろさなかった。
イグニスは国木田に思いっ切り腹パン、イルシオは谷崎にアッパーを食らわせ。そして福沢はヴィントスに脛を蹴られた。
「済まない、主様はお前らを許してるが
我々はお前らを一発殴らなきゃ気が収まらなくてな。…さて、一発殴って気が済んだから我らに協力しろよ探偵社。」
イグニスの言葉に探偵社の全員が頷き、クソ女を…自分達から大切な仲間の記憶を奪った悪女を憐憫の目で見た。
「さて…どうするアバズレ。お前に味方は居ないぞ?」
「うるさいうるさいうるさい!!
クソ女はヒロインなのっ!!あたしが主人公なの!!あたしを引き立てる脇役のくせに!!偉そうなこと言ってんじゃねぇーよ。あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ムカつく!!」
するとみすゞがクラウィスに「少し避けてくれる」と微笑みながら云った。クラウィスはみすゞの意を汲み取り重力を解いた。
みすゞはクソ女を無理やり立たせると、クソ女の頬を思いっきり平手打ちした。
154人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとう御座います!此処迄夢中で一気読させて頂きました,今章のタイトル回収や夢主の成長 無事皆が元に戻った嬉しさが溢れ感極まりました!ちゃんとフラグ?回収もしていて内容,迚も面白かったです!再び読み返しにきます是からも応援しております!失礼致しました (8月17日 16時) (レス) @page33 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御影 | 作成日時:2023年2月22日 18時