与謝野先生の妹,無明の王と政略結婚しました【条野採菊】 (ページ19)

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後日談ページ19

翌朝。すっかり元気になったAは朝食の用意をしようとキッチンに立とうとした。だが,「病み上がりなのでジッとしていて欲しい」と条野に止められる。

『体調は万全です,動けます』

「駄目です」

ポスンッとソファーに座らせられてブランケットをバサッとかけられるA。ムッとしながらも素直に大人しくしていた。

キッチンに立って朝食を作り始めた条野は昨夜の事を思い出した。

熱で意識が朦朧としているAに
“…手を繋いでて欲しい…”と云われた時。本当に嬉しかったのだ。何気に信頼してもらって居るのだなと安堵を感じた。

云われた通り,手を繋いでいた条野。Aが眠ったあと。繋いでいた手を離そうとしたが名残惜しいくて堪らなかった条野は魔が差して触れるだけの口吻をしたのだ。

若しもこの事がAにバレたとしたら怒るんだろうなと思いクスッと笑う条野。

「今度は素面の時に」

『ん?何の事ですか？』