その１ ページ2
『っ〜〜////』
声にならない悲鳴を上げて顔を真っ赤にしているのは武装探偵社の女医。与謝野晶子の妹。与謝野Aだ。
Aが赤面している原因。
先月,政略結婚した一人の男性が行き成り押し倒してきたから。
「心拍数と体温が上がりましたね…フフッ」
視界には天井と婚約者の条野が映っていた。Aの焦った音を聴いてニヤと意地悪な笑みを浮かべ「可愛らしい」と云いながらAの紅くなった頬に触れる。
「この際です。
『ゑ!?』
ジタバタと暴れて脱出を試みるも,相手は男性。而も異能技師による身体強化が施された軍人だ。当然の事だがビクともしない。「お転婆ですね」と云いながらAに顔を近づけていく条野。
『さ…』
「さ？」
Ｓっ気のある微笑みを浮かべた条野がAの云いかけた言葉を聞き返す。すると涙目になったAがフルフルと震えながら
『採菊さん,やめ…て///』
と絞り出すような声で訴えて来た。
「ヴッ///」となる条野。
「ハァ〜…(Aさんが可愛すぎる。)」
不意打ちだったので悶えていると,Aの心拍が。羞恥心から来る焦りの心拍からが安堵に変わる。
『��子姉さま!助けて下さい!!』
押し倒していた優しくAを起き上がらせるも時すでに遅し,キラーンと目を光らせて殺気を出す��子。
その後ろ。「若いって良いの」と揶揄う様な視線を送る福地と,軍刀に躊躇無く手をかけた末広。そして「うわッ…」という失意に満ちた目の立原が居た。
『………危うく
「よし!剪定決定じゃ」と無邪気な笑顔で物騒な事を云う��子。「事案だな」と云いながら軍刀を鞘から抜いた末広。珍しく引き攣った笑顔と青い顔をする条野。
「このど阿呆〜〜!!」
��子の怒声が軍警本部に響き渡ったのは云うまでもない。
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作者名：御影 | 作成日時：2022年12月2日 13時
