運命よりも、ずっと。 (ページ5)

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「ねぇねぇねぇねぇ！！！」

「っわ…お、はよ黒田くん」

「おはよ！！ねぇ、どうだった？」

「どうだったって？」

「婚約者に決まってんじゃん！！」

次の日、朝、教室で授業が始まるまで

まだ提出が先の課題を片付けていると

チャイムが鳴るギリギリで滑り込んできた黒田くんが

私の隣でもある自分の席に座るなり

食い気味に尋ねてきた。

その圧力に、若干身体を後ろに引いてしまう。

「いい人、だったよ」

「それだけ？」

「っ、うん」

「え、なにその顔！！初めて見たんですけど！！」

「か…顔？私変な顔してる…？」

「あー、なるほどなるほど(笑)」

「…え？」

「ふふ、よかったねー、いい人で(笑)」

一言で質問に答えると

最初は拍子抜けしたみたいな顔だったのに

私の顔を見ると目を丸くする黒田くん。

顔…そんないつもと違った？

答えようとした時に

昨日のことを頭に思い浮かべたせい、かな。

にやにやした黒田くんは、

お昼に聞かせてねって歯を見せる。

「俺も聞いてもらいたいことあるし」

「あ、そうだ、デートだったんだもんね？」

「ふふ、まぁね」

嬉しそうに笑うのを見る限り

きっと15分は惚気られるに違いない。

黒田くんの話を聞くのは好きだけど

最近彼女さんのこと好き！！ばっかりで

正直苦笑いしかできない自分がいた。

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