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で、寒空の中、一人。
残りの休み時間を、こうやって立ち入り禁止の屋上で一人寂しく、潰しているのだ。
なんだよ、みんな…。
おれ、一生懸命、作ってきたのに。
そりゃ、驚かそうと思って、
作ってきたことは内緒にしてたけど。
毎年作ってんだから、友達としてそこは察しろよ!!
大ちゃんは、まぁ。よしとしよう!!
呼び出されたのは仕方のないことだし…。
いのちゃんと高木も、まぁ。
きっと女子から呼び出されたのだし、今日という日のことを思えば仕方がない。
問題は薮だ。
もう、付き合ってだいぶ経つ彼女。
別に昼休みじゃなくて、放課後だっていいじゃないか!!
それでなくてもこの半年は、彼女と帰るからって一緒に帰れていないのに…。
自分で作ったチョコクッキーをバリバリと食べながらフェンスにもたれ悪態をついた。
だいたい、俺、あの彼女、嫌いなんだよな。
化粧濃いし、香水臭いし。やたら俺といのちゃんのこと睨んでくるし。
薮はあんな女のどこがいいんだ。
そりゃ、顔は綺麗だけれど、いのちゃんの方がよっぽど美人だ。
薮に彼女ができたのは夏休みに入るちょっと前。
いのちゃんと薮がキスをしているところを俺が目撃してしまったすぐ後だった。
キスなんかしているから、てっきり二人はそういう関係なのかって
幼馴染同士の禁断の恋に、心配し、
二人の行く末を思い悩んでいた俺をよそに、
突然、薮にできたケバケバしいあの彼女。
「好きだって言われたからなんとなく。」
付き合い出した理由を薮に尋ねればそんな適当な返答。
いのちゃんはそんな薮を気にするでもなく、二人はなんら変わりなく。
俺ら三人は幼馴染を続けていた。
あんな彼女なら、禁断でもなんでもいいから、
いのちゃんの方がよかったなぁ。
そんな無責任なことを考えながら
チョコクッキーを食べ終え、次はチョコケーキへ手を伸ばす。
ビターな味。甘いのが苦手な薮のために作った一品だ。
「やぶのばーか。」
俺だけ置いてけぼりで、大人になっていく四人に腹が立って、
勝手に代表としてやぶの名前を出して、悪口を空に投げた。
「誰が、バカなんだよ。」
立ち入り禁止のはずの屋上の入り口から堂々と聞こえてきた笑い声混じりの嬉しそうな声。
薮が、湯気の立つ紙カップを二つ、両手に持ってそこに立っていた。
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みるみるみるきー(プロフ) - なんか、いい関係だわねー。男同士…うんうん。いやしの笑顔のタカキもよいです。 (2019年8月19日 11時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - ゆみさん» いつも読んでくださりありがとうございますm(_ _)m先ほど、メッセージの方に送付させていただきました。届いていない場合はお手数ですがこちらでお知らせいただければと思います☆よろしくお願いいたします* (2019年8月19日 1時) (レス) id: 5a12b48840 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - すみません(>_<)パスワードではなく、パスヒントを教えて下さいですね!また、ひびた。さんのプロフィール欄に気付かず『ボード』にもメッセージを残してしまいました。すみません(>_<)よろしくお願いいたします。 (2019年8月12日 10時) (レス) id: 58cd24687a (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - ×-dame完結おめでとうございます。楽しく読ませていただきました!過去作品『たんぺん歌集』が大好きで再読したいのでパスワードを教えて頂けないでしょうか?Twitterをしていないのでよろしくお願いいたします。楽しく (2019年8月12日 10時) (レス) id: 58cd24687a (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - こはるさん» コメントありがとうございますm(_ _)mメッセージにて、パスヒント送付いたしました☆前に送付したものと同じです(^ ^)メッセージが万が一見れない場合は、ご連絡ください☆ (2019年8月1日 0時) (レス) id: 5a12b48840 (このIDを非表示/違反報告)
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