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×××
「だれの…誰のせいだと思ってんだよ。」
違う。
伊野尾くんは悪くない。
伊野尾くんは、ただ自分の気持ちに正直に動いただけ。
さくらと仲良くなりたかっただけ。
わかってる。
わかってるのに…。
さっきまでの怒りとか罪悪感とか胸の軋む音とか。
そんなの全部どっかにいちゃっていて。
小さく吐き出した俺の声は、予想以上に弱々しく、情けないものだった。
「…ゆうちゃん？？」
見上げるような形で伊野尾くんを見つめていたけれど、天を仰ぐようにさらに上を睨んだ。
正直に言うと、もう限界だった。
「俺、言ったよね。『さくらはやめといて』って。」
夕方の時刻なのに、夏のせいか陽はまだ明るい。
瞳いっぱいに覆う水の膜に反射して余計眩しかった。
よかった。
この場所に、俺と伊野尾くんとさくらだけで。
こんな情けない顔、他人に見られたくない。
「ゆうちゃん、これは伊野尾先輩のせいじゃないよ！！」
「お前は。黙ってろ。」
感情的にならず、冷静な声で。
隣にいた、さくらと目を合わせると、
俺の顔を見たさくらは驚いた顔をして、そして黙った。
「お願いします。もう、さくらには関わらないで。」
深く深く。伊野尾くんに向けて頭を下げた。
こんなお願いの仕方、良くないのかもしれないけれど。
もう、伊野尾くんの顔を見たくなかった。
少しの沈黙の後、
「わかった。」っと上から冷えた声が落ちてきた。
そのまま、階段をコンコンコンっと数歩降りる音が聞こえてきた。
俺の隣を横切るときに俺の好きな伊野尾くんの声で涼しげに「ごめんね。」っと優しく残して。
どのことに対する『ごめんね。』？
さくらのこと？
それとも、俺との関係？
下げたままの頭で考えながら、
これでもう終わりなんだろうなぁっとぼんやりと感じていた。
「伊野尾先輩！！」
さくらが呼び止めようとして、大声を張り上げていたけれど、
伊野尾くんはそのまま立ち去っていたようだった。
顔を、あげられない。
ぐしゃぐしゃだ。気持ちも顔も。
伊野尾くんは、何も悪くない。
きっと、俺とのこともそうだ。
伊野尾くんはただ自分の気持ちに正直に動いただけ。
みんなの一番になりたくて。
そんなこと、わかっていたはずなのに。
それでも俺は、どうしようもなく嫌になってしまったのだ。
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ひびた。(プロフ) - みほさん» だらだらと書いていたにも関わらず、優しいお言葉ありがとうございます(T ^ T)嬉しい限りです！！これからも、そのようなお言葉がいただけるのであれば低速ながらも書いていこうと思えました！！ありがとうございます！！ (2019年7月7日 0時) (
レス) id: 5a12b48840 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - Yokoさん» ながながとしたお話でしたが、着地はなんとかできました！！夏休み中は解禁されるかどうかは未定…続編もぼちぼちで、進めていきますので、よければまた遊びにきてください（＾∇＾） (2019年7月7日 0時) (レス) id: 5a12b48840 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - すごく素敵なお話でした。2人の思いが通じあって良かったです。ありがとうございます。最近、ゆといのも好きなのでたんぺん歌集の方も時々読み返させていただいています。ひびた。さんのお話大好きです。 (2019年6月26日 9時) (レス) id: e343fdfaf1 (このIDを非表示/違反報告)
Yoko(プロフ) - わあああ！涙！なんて爽やかなENDでしょう！よかったね�睫擇�ん！始まりはちょっと間違ってたかもしれないけど、ちゃんと青春真っ盛りの爽やかカップルに着地ですね！明日からの夏休み中に禁欲は解除されるのかな？ワクワク！ (2019年6月23日 23時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - Yokoさん» 伊野尾さんちにたどり着くのに、どんだけかかっとんねん！！聖闘士星矢か！！っというツッコミを自分でしてました。お待たせしておりますm(_ _)m (2019年6月2日 22時) (レス) id: 5a12b48840 (このIDを非表示/違反報告)
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