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33話 ページ33

「こんな嘘、吐くわけないだろ。」

言いながら右手でAの頰に触れ、思いっきり引っ張った。

「痛い痛い!!」
ぱっと手を離すと、Aは抓られた頰を両手で抑えた。

「急に何するの!?」
赤くなった頰を抑えて怒る姿ですら、かわいいと感じてしまう。

「嘘じゃないし夢でもないってこと、分かってくれたかなって。」


「…分かったけど。」


「明日からもう、氷浦って呼ぶなよ?」

俺の言葉に、Aは「うーん。」と悩む素振りを見せ、何か思いついたように顔を明るくした。

「ねえ、こういうのはどう?」
「なに?」
「耳かして。」

言われた通りにAの方に耳を向ける。



「好きだよ、貴利名。」


「っ!?」

一気に顔に熱が集まるのを感じた。
効果音を付けるなら、まさに「ボッ」て感じに。

きーちゃん、って呼ばれるのとはまた違う良さがあるな。なんて。

「ふふっ。仕返しだよ。」
Aはしてやったりといった顔で笑う。


こうしていると、島にいた頃に戻ったみたいだ。

でも、確実に、あの頃とは違う。

顔面に集まるこの熱が冷めないうちに、口を開いた。

「じゃあ、改めて、


俺と付き合ってください。」


「…はい。」


彼女が嬉しそうに笑うから、俺もつられて笑った。

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設定タグ:イナズマイレブン , 氷浦貴利名 , オリオンの刻印   
作品ジャンル:アニメ
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ゆい - キャー (2020年2月15日 13時) (レス) id: 2c2dc05fa8 (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - ぴーすけさん» そうなんですね笑 ええ!怖い話面白いじゃないですか!苦手なんですか…わかりました!わざんざコメ返しして下さり有難うございました!またどこかで!! (2019年10月6日 23時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - ◎SaEさん» 多少黒歴史なので恥ずかしいです。(笑)でも、記憶に留めていただいて、そんなことまで言っていただけて本当に嬉しいです!こちらこそありがとうございます!!私、怖い話大の苦手なんですよねえ(汗) (2019年10月6日 20時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - ぴーすけさん» 霧野咲って見覚えあるな、と思いまして笑 よく考えたら作品沢山読ませてもらっていました。イナイレ こんなにハマったのも霧野咲さんの作品を読んだことも一つだと思います、有り難うございました!あと私もイナイレシリーズで怖い話書いてます。良ければ是非! (2019年10月6日 5時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - ゆーみやンさん» ありがとうございますっ!!! (2019年10月4日 22時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーすけ | 作成日時:2019年9月16日 11時

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