許 ページ10
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結局治が戻ってきたのは授業後だった
『…治?』
「あ、A」
『サボり』
「すまんて!」
『侑は…?』
「あーしめてきた」
珍しく目線を逸らした
多分あの目はなにか隠してる
やっぱ双子って似るんやな
侑と同じ
『ねえ治』
どこか行こうとする治の袖を掴む
「…どないしたん」
『なんでそんなに隠すん?
私知っちゃいけないん?』
治の顔が曇る
「俺の口からは言えん
ツムから聞いた方がいいと思うで」
そう言うと友達のところ行ってしまった
侑……
今日の部活終わり待ち伏せしとこうかな
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放課後
私は侑と帰ってた頃のように教室で勉強する
一応侑には部活終わったら教室に来てとの連絡は入れておいた
そして
「A」
侑がやって来た
『ごめん、侑。疲れとるのに』
「いやそれはいいんやけど」
まだ気まずい雰囲気が流れる
ちゃんと話さなあかん
でも最初は…
『侑、さっきはごめん、言い過ぎた』
謝らな
美紅にも言われたけどちゃんと侑のこと信じなきゃ
「べ、別にいいんやでそれは!
俺も悪いとこはあるし…」
許して…もらえたんかな…?
とりあえず本題に入らな意味ないし
私は意を決して侑に聞いた
『なあ侑…何隠しとるのか教えて欲しい
治も美紅も知っとるんやろ…!』
さっきまで合っていた目線が逸らされる
ほら治と一緒
『侑、、!』
「分かったわ!!教えたる!」
「脅されとったんや!!
“A傷つけられたくなかったら仲良くしんといて”って」
『……へ??』
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作者名:氷浦柊良 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hiura02141/
作成日時:2020年1月31日 13時