疑 ページ3
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「A?顔色悪ない?」
『え、あ、美紅』
放課後、少し気晴らしに勉強して帰ろうって思って残っとった
「ってかこんな時間まで残っとったんか」
え?時間…?
そう言われて時計を確認すると
『6時過ぎとるやん!』
慌てて教科書類をカバンに入れる
「私来んかったらほんま学校に閉じ込められとったやろ…」
『流石にそれは気付くよ』
「絶対無理やと思う
ってかそんな集中して何やっとったん。勉強も全然進んどらんかったやろ」
流石1年の時からの付き合い
なんでもお見通しっちゅうわけや
『考え事しとった』
「あー侑か、、ほんとあのバカは」
美紅は侑と同じクラスだし男バレのマネージャーでもあるからあいつのことよく知ってる
「さ、一緒に帰ろ
1人じゃ危ないし」
『おおきに』
荷物をまとめ教室を出ようとした時
「美紅〜!!まだ見つからんのか
はよ帰ろうや!」
え、この声
「なんであいつまだおるん
帰れ言うたやん」
「美紅〜!!!!」
足音が近付いてくる
そして
「美紅お前なんでこっちにお…るん」
教室に顔を出した侑と目があった
「A…」
気まずい
そう思った途端体が動いて
気付いたら走って教室から飛び出していた
「あ、A!」
後ろから美紅の声が聞こえた
でも私は構わず走った
「あんたのせいやでばかツム」
「わかっとる」
·
下駄箱まで走って来たけど結局疲れたから歩くことにした
『ほんまうち最低なやつやな』
分かってる
ちゃんと話さなあかんことぐらい
『はあああ』
思いっきりため息をつく
「自分そんな思いっきりため息ついとると幸せ逃げるで」
頭上から声が聞こえた
思わず顔をあげると
『治…?』
「おおやっぱAやったか」
宮治、、侑の片割れで同じクラスのやつ
「えらい走ってきたっちゅうことは侑とあったんやろ」
なんで毎回毎回みんなに色々見透かされてるんや
でも本当のことやし
『そうだけど』
と答えると
「おーおー当たりや当たり」
そう言われたでも小さく“あのあほんだら”とも聞こえた
どういうこと…
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作者名:氷浦柊良 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hiura02141/
作成日時:2020年1月31日 13時