禁断の契約はよく考えて、19話 ページ23
「あぁ...うっ、っ....」
とある病院の一室。目口鼻以外が包帯に包まれる少女がベッドに座り泣いていた。彼女は赤ん坊の頃に全身火傷を覆い、一命を取り留めた。だが、醜い体になった少女に、希望ある未来なんてあるだろうか。
両親からは見放され、友人達からは蔑まれ、名も知らぬ人達からは好奇の目。挙げ句の果てに“悪魔の子”と言われた彼女に、未来なんてあるか。
「あぁ、こんな事。神様、神様っ...!」
嘆き苦しむ少女は、十字架を手に窓の外を見つめた。だから気が付かなかったのだろうか。いや、気付く者なんていないだろう。音も無く忍び寄る真っ黒い羽を生やした悪魔になんて。
「見えない神より今見えてる悪魔を讃えなよ」
「!?」
少女はバッと後ろに振り返った。が、見えたのは真っ白な天井。そして、首に感じる威圧感。悪魔は彼女の首に両手を回し、一気に力をいれた。
「ガ、ハッ...!ヴ、ぇ....が..ぁぁ...っ!」
「アッハッハ、良いねーその顔。ねぇお嬢さん?私と契約しませんか?」
そう言い、また手に力を加える。
「ぐ、ぅぇっ!...が、ヴ...ア”ア”...!!」
「おっと失礼、このままだと話が聞けないね。それ以前に死んじゃうか♪」
そう笑うと手を離し、彼女の肩に手を掛けた。少女は持っていた十字架を悪魔に向けるが、悪魔は「そんなの効かないよ」とまた笑った。
「私の名前は白銀。お嬢さんが困っていると思って、助けに来たんだよ」
「ゲホッ、ケホッ。た、助けに来た?殺しに来てたじゃない...」
「確かにそうだ」と悪魔は笑う。
__“遊んでいる時”の白銀と言ったらよく笑うものでそれはもう下っ端悪魔達からは恐れられて、うわ何をするやめ__
「お嬢さんさ、顔や体の事で死ぬ程悩んでるでしょ?だから、私と契約すれば全部綺麗なものに、寧ろ美しい体や顔に換えてあげるよ!」
「ほ、ほんとう...?」
それは少女にとって最高の話であった。だが、契約相手は悪魔だ。少女は首を横に振った。その返事は想定内なのだろう、白銀はニカッと笑ってみせた。
「大丈夫だよ。君の大事にするものを貰うだけ」
「大事な物...?し、心臓とか?」
白銀はニヤリと口角を上げると、彼女の唇に自身の人差し指をくっつけた。
「君が心臓より大事にするものだ。何、心配しなくて良い。君は死なないから」
死なない。こんな美味しい話に持ってかれない者がどこにいるか。少女は首を縦に振った。
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銀理(プロフ) - ファーストMeさん» おやすみなさーい (2016年9月18日 23時) (レス) id: f344d7c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - 続編でクリーチャー出せや。(福沢さんボソッ)(  ̄▽ ̄) (2016年9月18日 23時) (レス) id: ef3ca94e4e (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 銀理さん» 続編いくの? (2016年9月15日 22時) (携帯から) (レス) id: 1f857ebe9d (このIDを非表示/違反報告)
銀理(プロフ) - まろんさん» 続編でやる (2016年9月15日 22時) (レス) id: f344d7c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 銀理さん» ワタクシ鬼畜ですからwwそいえば、先ほどテンセーさん描き終わりましたよ。はよ月宮成仏させろやゴルァ (2016年9月14日 22時) (携帯から) (レス) id: 1f857ebe9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:引退より蘇りし駄作者 | 作成日時:2016年5月14日 12時