無聴と三原則、16話 ページ20
白銀は無様だと、ベッドに横たわる老婆を見た。一等級悪魔は、現世に行く権限と同時に、人間に呪いをかけても__地獄では__罪にならない。__この件でテンセーがどれだけ激怒したか__
級を持つ悪魔として地獄では仕事がある。だが暇な時もあるだろう。白銀は暇な時、こうやって現世に降りて人間を見下す。
老婆は、生まれた時から白銀によって呪いをかけられていた。それがどんなに恐ろしい呪いかなんて、白銀は分かってない。毎日生死の境目を渡る怖さが。
ふと、老婆と目が合ったような気がして、白銀はつい顔を逸らした。見えるはず無いのにと、白銀はまた老婆を見やる。老婆は、微かに顔を歪めた。
「は...?」
見えたのか。そんなはず無い。
頭の良い白銀でも、今の行動の意図が理解できなかった。グルグルと考え出す頭の中を全部吹っ飛ばして、白銀はまた老婆を見る。老婆は何か呟いていた。
「く...しぃ....こ...して...や......くる...」
“くるしいころしてやるくるしい”
誰に向けて言ったのか、白銀は聞く耳なんて持たない。彼女に“ころしてやる”なんて言葉は聞こえていない。“くるしい”と老婆が放った嘆きしか彼女には届かない。嘆き、悲鳴は悪魔にとって最高のスパイス。彼女の体にゾクゾクとしたものが走った。
嗚呼苦しいの?苦しいのか、じゃあしょうがないよね。
「天国で幸せになりなよ。私に会わなかったらの話だけどね...♪」
悪魔は老婆の首に手をかけた。
<悪魔は耳が聞こえない>
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銀理(プロフ) - ファーストMeさん» おやすみなさーい (2016年9月18日 23時) (レス) id: f344d7c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - 続編でクリーチャー出せや。(福沢さんボソッ)(  ̄▽ ̄) (2016年9月18日 23時) (レス) id: ef3ca94e4e (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 銀理さん» 続編いくの? (2016年9月15日 22時) (携帯から) (レス) id: 1f857ebe9d (このIDを非表示/違反報告)
銀理(プロフ) - まろんさん» 続編でやる (2016年9月15日 22時) (レス) id: f344d7c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 銀理さん» ワタクシ鬼畜ですからwwそいえば、先ほどテンセーさん描き終わりましたよ。はよ月宮成仏させろやゴルァ (2016年9月14日 22時) (携帯から) (レス) id: 1f857ebe9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:引退より蘇りし駄作者 | 作成日時:2016年5月14日 12時