「夢主がほぼ空気な小説」← (ページ12)

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とある番人と天使と、９話ページ12

天国と地獄の間には長い架け橋がある。その架け橋上には３つの大きな__本当に大きな__門がある。１つは天国に入るための門。２つ目は地獄に入るための門。３つ目は、その２つの門に挟まれ、架け橋の真ん中に位置する現世に行くための門。

私Aは、サンドイッチ__何だっけあれ。ほらジ○リとかで出てくるサンドイッチ入った...バスケットカゴ？__を持って現世に行く為の門へ来ていた。
別に現世に行く用事なんて無いが、__そもそも一般天使が行けるはず無い__その門の番人がよくお店に来る常連さんなので、たまにこうやって彼女がよく頼むサンドイッチを差し入れで持ってったりする。

「シロマさーん」

「Aさん、どもーッス！」

白髪のセンター分け、後ろはボサボサな髪型。その頭の上には彼女の瞳と同じ赤い色の狼の耳が生えている。笑顔の似合う彼女は、天国にも地獄にも移住する事のできる獣人である。

「サンドイッチ、持ってきました！...」

「はいはい、着払いですよね」

「アハハ」とよく笑う彼女はポケットからお金を取り出し私に渡した。世間話でもしようかとシロマさんに話をもちかけたが、彼女は腕時計を見て慌てる出した。

「早く帰った方が良いよ、です！ちょっと大変な時間になります！！」

「大変な時間？天使や悪魔達の帰宅ラッシュ？」

「そんな可愛いもんじゃない！！」と彼女は首を横に振った。これが可愛いとはどれだけ恐ろしいものなんだ。

「毎週今日、この時間に
“黒髪の５級天使”と
“白髪の一等級悪魔”がここで喧嘩しだすんだよです！それを抑えるのに番人が総勢数十人いないと駄目なんです！しかも周りも巻き込まれるから、早く帰った方良い！」

ここまで言われればかえるしかない。「さよなら」と手を振れば「ごめんなさーい！」と帰ってきた。

しかし、“黒髪の５級天使”に“白髪の一等級悪魔”。どこかで...。

「あ、テンセーさんだ」

テンセーさんが私とすれちがい、現世門と地獄門の方へと歩いて行った。

...ん？