【テニスの王子様】花言葉とパレット【幸村精市】 (ページ43)

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39:恋のキューピッドはショートケーキ！ページ43

｢なぁ、A。｣

隣にいるAに話しかけると、どうしたの？と軽く返される。
実は、最近思うことがある。

｢なんか……Aって、幸村君のことよく目で追ってるよな｣

『……へ？』

もしかしたらコイツ、幸村君のこと好きなのかもしれない。
そう思って聞いてみると、あからさまな反応をされる。
図星だったみたいだぜぃ……

『正直……この気持ちが、好き……なのか、どうか分からない』

少し戸惑うように言うA。

あからさまな反応したり、よく目で追ってるクセに、理解できてねぇのかよぃ……
鈍感……と言うのも、なんか違う。
たぶん、恋愛的に人を好きになったことがないんだろい。

風船ガムを膨らませて、考える。

｢んー……よくわかんねぇけどさ……｣

一瞬、コートで練習をしている幸村君が目に映る。

｢その人と、一緒にいると楽しいとか……そう思えたら好きなんじゃねーの？｣

言い終わって、すぐに照れくさくなる。
……なんか、似合わない事言っちまった……
恥ずかしくて、頬を掻きながら、照れ隠しみたいに、よくわかんねぇけどな。と付け加えた。
Aは、少し考えた顔をしてから言う。

『……それって、私、ブンちゃんと一緒にいると楽しいし、好きってことになるんじゃないの？』

……な、何食わぬ顔で何言ってるんだぜぃ……！
なぜか、顔が熱くなる。
少し焦りながら、ちげーよ。と答えた。
Aが、少しニヤニヤする。
コイツ……絶対、可愛いと思ったな……！

少し間を開けて、Aが幸村君との事を語り出す。
それを聞いて、たぶん、それは好きだろい。と言うと、そうなのかなぁ。と、Aは悩んだように言う。
その後も、色々な話を聞いていると、真田に注意される。
……タイミング、悪いぜぃ……
＿＿＿
＿＿
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幸村君とAが仲いいのは、テニス部のみんなが知っている。
あの幸村君が、Aがマネージャーになる時に、みんなの意見を押し切って、主張してたぐらいだからな。
性格が似てるわけでもねぇし……なんで、あんなに仲いいんだか。
視界の端に、幸村君とAが話しているのが見える。
ふたりとも笑顔だ。
まぁ、当たり前なんだけどよ……仲いいんだから。
でも、今まで見たことないような、嬉しそうで、穏やかな笑顔。
いや、幸村君のあの笑顔、見た事あるぜぃ……
花壇に咲いてる花を、見ている時の笑顔だ。
これはもしかして……もしかしなくても……！
へへっ、これは俺が恋のキューピッドになるしかないだろい！