26:赤い悪魔と詐欺師�� ページ30
部活に入ってから約１週間。
部活にも慣れて、部員のみんなとも、幸村先輩とブンちゃんを通じてある程度は仲良くなれた。
……ただ2人を除いて。
｢聞いてくださいよ！柳生先輩！｣
｢どうしたのですか、切原君｣
切原先輩が、柳生先輩の元に駆け寄る。
また、仁王先輩に何かされたのかなぁ……なんて思っていたら、少し違和感を感じた。
心做しか、柳生先輩の身長が縮んだ気がする……
もしかして……と思い、話している2人を見ていた。
｢……って事があったんスよ！ひどいと思いません？！｣
至って真剣な目で、柳生先輩の目を見て話す切原先輩に構いなく、フッ、と柳生先輩が笑いを堪えきれなかったように吹き出したかと思ったら、笑い声を抑えながら笑いだした。
切原先輩は、顔に｢？｣のマークが出てきそうな表情をしている。
｢クク…やっぱり、からかいがいがあるぜよ｣
あ、この特徴的な口調は……
何もかもを察した。この後の会話も大体の予想がつく。
｢え、あっ、仁王先輩？！さっきまで向こうに……！｣
｢はーて、どうじゃったかのぅ｣
切原先輩に背を向けて歩き出す仁王先輩。
その姿はいつの間にか、柳生先輩ではなく、いつもの姿になっていた。
｢相変わらずだよなぁ、あの二人｣
甘い香りがすると思ったら、いつの間にか後ろにブンちゃんがいた。
頭の後ろで手を組み、風船ガムを膨らましている。
いつものスタイル。
『前から、あんなだったの？』
｢まーな。前から、ほとんど毎日あんな感じだぜぃ。｣
赤也も学習しろよなー。
と言っているブンちゃんに、いっつもパッチンガム引っかかってるくせに。と言うと、うるせ。とだけ返された。
｢コート上のペテン師、仁王雅治。彼の恐ろしい所は、いつでもどんな時であっても、誰にでも
そんな幸村先輩の説明を思い出しながら、
どこか余裕そうな笑みを浮かべている仁王先輩に、文句を言っている切原先輩の2人の姿を見ていた。
正直なんか、苦手。言うなれば近寄りがたい。
｢結構良い奴なんだぜぃ？仁王。｣
ブンちゃんはそう言うけれど、何となく自分から遠ざかってしまう。仲良くなりたくない訳ではないはずなんだけど、いろんな考えが混ざってよく分からない。
作者の言葉
更新遅くなってごめんなさい……！
学年末テストが近くて、課題に追われてます…(サボり気味)
テストが終わったら、何話か一気に投稿する予定なので少々お待ちを……
ストーリーアイテム
苺のシャルロット
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミケねこ | 作成日時：2019年1月1日 8時
