正門の妹、女優やってます (ページ17)

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その3 ページ17

打ち合わせが始まると言ってなんとか地獄と化した部屋から脱出する
それにしても、後先考えずに発言する癖どうにかせんとそのうちもっと痛い目みるなぁ

でも、こじけんとのキスを誤魔化せたんは天才やと思う
こじけんとのキスは、事故チューなんかじゃなかった

高校1年の6月25日

こじけんの誕生日

誕生日プレゼントはなにがいいかと尋ねると購買でパンを奢れと言われた

そんなもんでいいのかと焼きそばパンとメロンパンとカレーパンを買って2人でいつも誰もいない音楽室へ行く

『ほんまに、こんなんでいいん？誕生日プレゼント』

小島「ええよ、今日財布忘れたから助かったわ」

『んーこんなんでお礼言われてもなぁ
なんか、ないん？欲しいものとか、やってほしいこととか』

小島「んー別に今はないかなぁ」

『それは私が納得できひん』

ここまで私が粘っている理由というのは簡単
今年の私の誕生日にめちゃめちゃお高いスニーカーをプレゼントしてくれたから

それに応えるくらいのプレゼントじゃないと私薄情みたいやん

なのに、購買のパン3つって…

小島「さっき何でもするって言ったよな？」

『うん、人命に関わること以外でな？あと全裸で校庭走れーとかモラル的にアウトなこともやめて』

小島「じゃあキスしてや」

『…ごめん、聞き間違いかも知らんのやけど…

今、宿題やってって言った？』

小島「なに聞いてたん？
いや、キス、してや」

『は？本気で言ってるん？』

小島「何でもするんやろ？」

机に肘をつきながら流し目でこちらを見る
くそぉ顔は良いから絵になるぜこの野郎

『できるし、女優正門A舐めたらあかんで』

小島「ほぉじゃあやってみ」

『…………』

小島「まだ？」

『今、するとこやし』

ファーストキスがこんな軽いノリでいいのかと思いながらも、別に誰かと恋愛したいわけでもないし、これくらいのキスが出来なかったら今後芝居の仕事がこなくなるという危機感に背中を押され、私はこじけんの唇に触れるだけの軽いキスをした

小島「…みんなには内緒な」

『当たり前やん』

こじけんとキスしたことは暴露したが、流石にこの流れを言うのに躊躇いを感じた
それにしても私の作り話の信憑性が凄い
脚本家としてもやっていけるのでは(調子乗りすぎ)