KZ彼は知っている

文字は全て暗号と思え ページ12

黒木「もうすぐ談話室も閉められる。そろそろ解散だ。」







若武「時間がないっ。どうしてこう俺達には時間がないんだ。」







それはそうだけど、学生の本分は勉強だし、



一日中捜査にあてられる警察とは違うよね。





翼「謎はきりがないのに。この宅配便の伝票も気がかりだし。」




小塚「どれ？」




ダンボールに張り付いた薄い紙には、届け先の黒木君の住所以外にも文字が書かれていた。




上杉「数列でもなんでもないな。だが穴埋めって量か？」






また、暗号かぁ。


みんなが私に視線をむける。




ざっと見回してみて気になる点をいくつかあげる。






彩「全体的に文字の感覚が整っていて、
枠の線に合わせたと言うよりはマス目のあるノートに書いてるみたいだね。」



そう。書かれている文字は縦横に綺麗に揃っている。



彩「あと、813っていうのかな。偶然かもしれないけど。」





若武「813っていえば怪盗アルセーヌ・ルパンシリーズの名作じゃねぇか。」





上杉「大分無理あるな。」






わかってるけどそれぐらいしか読みとれることがなかったんだよ。



頭を捻って上杉君を見ると目が合った。







上杉「はぁ、仕方ない。一つ謎が解けないと調査もできないこの状況でダラダラ話していても無駄だ。今日の所は切り上げるか。」





若武「進まねぇ！じゃあ明日も集合だ。」









今回は、Aさんの生い立ちと行動の謎、それから携帯も入手できたから進んではいる。




，，，と思いたい。




あ、Aさんから送りつけられてきたんだから、入手したって表現は正しくないか。







小塚「アーヤ、」


彩「ん？」



小塚「このダンボールと伝票も持ち帰って調べたいんだけど、」





え、でもそうすると暗号解読は


小塚「みんなにはスマホに写真送るけど」







私は無い！！！









その後私はペンだこにシャーペンを押し付けるような持ち方で
伝票の文字を書き写さなくてはいけなかった。

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