用途別って ページ11
皆忍から送られてきた資料に目を通す。
私は携帯を持っていないので小塚君に見せてもらっている。
上杉「一番効率的なのは、黒い方を組織用、この端末を普段使いにすることだな。」
翼「確かに。人の前で間違えて組織からのメールが表示でもされたら警戒心がないにも程がある。」
黒木「実際に、俺が撮ったスマホの写真には組織からと思われる暗号メールが表示されていたわけだし。」
なるほど。でもそれにしたって何かおかしい。
普段使いと言われると余計にこの電話履歴に違和感を覚える。
何だ?
何が引っかかっているの?
ふと小塚君の方を見ると資料ではなく忍の方を見ていた。
彩「どうしたの?」
小塚「いや、」
その手にはジッパーのついた袋を握っている。
小塚「七鬼、解析は終わった?」
忍「まだ。」
小塚「読み込みだけでも、」
どうやら貴重なAさんの携帯のデータ、主に表面の傷や指紋の保護を早くしたいようだ。
クスッ
小塚くんらしい。
七鬼「ああ、読み込みは終わったから、はい。」
小塚君はそれを嬉しそうに袋に入れた。
そして忍はと言うとまたひたすら指を動かしていた。
私も考えないと。
もし私が携帯を持っていたら、履歴に残るのはKZの皆と家族と家電くらいかな?
Aさんは上杉君と【消防車】と【先生】。よくわからないけれどこの消防車っていうのが
Aさんにとっての保護者らしき人物だった場合、何も不思議ではない。
あ、私の場合にはマリンとも連絡先交換するのかな?
・
・
彩「それだ!!!」
小塚「うわっ!」
若武「びっくりした、」
黒木「アーヤどうかした?」
彩「普段使い!だとすれば着信履歴や送信受信履歴諸々に友達からの連絡が一切ないのっておかしいよね!!」
そうだ!Aさんは友達が多い。少なくとも学校、塾以外でもコンタクトをとる手段はあるはず。
それなのに一人も登録どころかかけてきてすらいない。
翼「,,,そうだね。おかしい。そしてもしこれが普段使いでなくある方面にカテゴライズされる
者専用の端末だとしたら、波都橋Aが送ってきた意味も変わってくる。」
若武「そのカテゴリーには上杉も入ってるんだよな。その【消防車】と【先生】も上杉と同じ場所に分けられている。波都橋の中では。」
一つは組織用、そしておそらく私達が思い描いていた普段使いの携帯もAさんはもっている。
目の前の携帯は、何のためにあるのだろう。
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シルクロック - ものすごく面白いです!続き楽しみにしてます! (2021年5月23日 14時) (レス) id: c954b48120 (このIDを非表示/違反報告)
ジンlove - 更新感謝です!いつも楽しみに読んでます! (2021年4月8日 16時) (レス) id: c6e3be00f0 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからも応援しています。 (2021年3月25日 11時) (レス) id: 508ed49a7c (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 完結になってますね、、、もう更新はされないのでしょうか?この作品大好きだったので、更新してもらいたいです。 (2021年1月30日 8時) (レス) id: bcfae3c88c (このIDを非表示/違反報告)
茉矢 - 一気に読んでくれるとは!鈍間更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2020年8月17日 23時) (レス) id: 21f7438531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉矢 | 作成日時:2020年6月29日 19時