検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:1,430 hit

ヒトツメリッパー殺人事件12 ページ12

幸葵が相楽の病室を出ると、ばったり、哀音と出会した。扉の前にいた彼は、幸葵と相楽の会話を聞いていたのだろう。少しむっとした顔をしていた。
二人は小さな声で言葉を交わす。

「どういうつもりだ?」
「どういうつもりとは?」
「彼に手を出すな」
「勘違いするな。彼はお前のものじゃない。俺のものだ」
「……」
「俺のものにしてみせる」
「だったら、俺は傍で彼を守ってみせる」

二人の睨み合い。病院の廊下が静かなだけにその場所は異様な雰囲気を醸し出していた。
やがて、哀音が見舞いの花束を手に、幸葵と擦れ違う。
擦れ違いざま、不敵な笑みと不機嫌な眼差しが交錯する。
哀音が花束を抱えて、相楽の病室に入ると、二人の間に流れていた空気は雨散霧消し、病院にはただ静寂が流れるのみとなった。

ヒトツメリッパー殺人事件13→←ヒトツメリッパー殺人事件11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑠色 | 作成日時:2018年9月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。