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ヒトツメリッパー殺人事件2 ページ2
「すみません、いつもいつもお邪魔して」
春子さんはそう恐縮しながら、我が家の夕食の席に着く。
夏帆さんからはこう吹き込まれていた。
「春子が男子に興味を示すなんてなかなかないからねぇ。よければどーん、と弟くんとくっ付けてあげちゃって!」
とのこと。
「春子さん、タルタルソース、口元についてますよ」
「え? どこ?」
「ここっす」
口元についているのを手で取ってそのまま舐める我が弟、哀音。少々無愛想だが顔がいい。今の所作に初な春子さんが盛大に赤面しているぞ。写メりたい。写メって夏帆さんに送りたい。それにしても変なところで哀音は鈍感なんだから、我が弟ながら、罪な男よのぅ。
「熱でもあるんすか?」
「いや、大丈夫だ」
ラノベのテンプレを踏襲する弟と春子さんを尻目に、僕はもぐもぐとチキン南蛮を食べていた。
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作者名：瑠色 | 作成日時：2018年9月19日 23時
